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2005年10月

2005年10月22日 (土)

芸術の秋

しばらく更新をサボってしまった。
というのも、芸術の秋というのは名ばかりではなく展示会のシーズンまっただなか。
仕事がいっぱい。
ものすごく忙しい。

そんな中でもちょっと珍しい仕事があった。
展示会用の作品を額装する仕事には違いないけれど、何と額縁を使わない。
うちは額縁屋なのに。

ことの始まりは展示会の前になる。
作家さんの自宅に飾るという事で作品数点を額装した。
ところが後日、急遽決まった展示会に展示したところ自宅では良く合って見えていた額とマットが展示会場では何故か合わない。印象が薄く見えるという。
自宅のインテリア用と展示会ではニュアンスがちょっと違う。このちょっとの違いが見え方の大きな違いになることが時々ある。
そこで、会場に見に行ってみたら納得。壁と馴染みすぎているし、壁の面積に対して額が小さすぎるように感じた。
そのことを提案してみると、額を大きくするのは予算的に却下という事。
ただ、どうしても面積を大きくしないと作品が生きてこないと思い、額を使わず大きなマットのみを使ってテストして、見てもらった。
するとOK!すごい気に入ってもらった。
で、今回は、(「保存のことを考えると本当はあまり良くないですよ」と、くどくど言いながら)全ての作品を額を使わずにマットのみで統一して額装しました。

mark1こちらがそのMARK LEVINE展です。
写真展ですが、ちょっと変わった写真で、ポラロイド写真を撮ってすぐ、まだ乾ききってないうちに加工して絵画的な物を作り出しています。
静岡県沼津市の仲見世商店街にあるカフェ『Bハウス 宙』で開催中です。近郊にお住まいの方、よかったら見に行ってあげてください。




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2005年10月 3日 (月)

30年前のカレンダー

少し前のことになるけど絵を額装して欲しいという、おそらくお子さんとお孫さんを連れた老婦人という表現がピッタリのお客さんがみえた。
なんでも、今度引っ越すので、今まで飾っていたものを額装し直して新しいところでも飾りたいということだった。
ただ、持ってこられたのは絵といってもカレンダーについていた絵とポスターで、大小合わせて9枚。大きい2枚はすこし色が劣化して薄く黄班がでていた。
そして、カレンダー部分には1972年とあった。
30年以上も前のものだ。
大事にされていたんだろう、確かに劣化はしていたけど傷と言えるのは端が少し破れていただけでほぼ完品と言って良いものだった。

前回でも書いたように、うちには様々な品が持ち込まれる。
確かにその中には市場価値の高いものもあるが、ほとんどは値段がつかないもの。
例えば、お子さんの描いた似顔絵や親しい人から貰った記念品など個人的な思い入れの強い品が多い。
たぶん世界中で額装されているもののほとんどが、美術品といわれるものより、こういった思い出の品々の方が多いんじゃないかと思う。
というのも、欧米などでは額縁は家具の一種として考えられている。
ハリウッド映画などで家の壁一面に額に入った家族の写真や記念品が飾られているシーンをよく見るし、実際に海外に滞在していた時に訪れたいくつかの家庭もそうだった。
額縁というのは思い出を飾るための家具ということらしい。
日本では家族の写真を飾りまくる習慣はあまり一般的ではないが、今まで額装させてもらったものたちを考えると、思い出の象徴を飾っておきたいと思うのは共通かなと感じる。

お預かりしたカレンダーの絵とポスターは、今後の保存の事も考えて劣化を出来るだけ防ぐ処置をしながら額装させてもらった。
新しくなった状態を見て喜んでもらえたのが自分にとっても嬉しかった。
後になって知ったんだけど、その老婦人はかなり裕福な方だったらしい。
一度は絵を全て新しいものにしたらどうかと勧められたそうだが断ったということだ。

30年前の色が少し褪せてしまったロートレックのポスターは、どんな思い出の象徴だったんだろう。
P9050091



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