« 刺繍の季節? | トップページ | 芸術の秋 »

2005年10月 3日 (月)

30年前のカレンダー

少し前のことになるけど絵を額装して欲しいという、おそらくお子さんとお孫さんを連れた老婦人という表現がピッタリのお客さんがみえた。
なんでも、今度引っ越すので、今まで飾っていたものを額装し直して新しいところでも飾りたいということだった。
ただ、持ってこられたのは絵といってもカレンダーについていた絵とポスターで、大小合わせて9枚。大きい2枚はすこし色が劣化して薄く黄班がでていた。
そして、カレンダー部分には1972年とあった。
30年以上も前のものだ。
大事にされていたんだろう、確かに劣化はしていたけど傷と言えるのは端が少し破れていただけでほぼ完品と言って良いものだった。

前回でも書いたように、うちには様々な品が持ち込まれる。
確かにその中には市場価値の高いものもあるが、ほとんどは値段がつかないもの。
例えば、お子さんの描いた似顔絵や親しい人から貰った記念品など個人的な思い入れの強い品が多い。
たぶん世界中で額装されているもののほとんどが、美術品といわれるものより、こういった思い出の品々の方が多いんじゃないかと思う。
というのも、欧米などでは額縁は家具の一種として考えられている。
ハリウッド映画などで家の壁一面に額に入った家族の写真や記念品が飾られているシーンをよく見るし、実際に海外に滞在していた時に訪れたいくつかの家庭もそうだった。
額縁というのは思い出を飾るための家具ということらしい。
日本では家族の写真を飾りまくる習慣はあまり一般的ではないが、今まで額装させてもらったものたちを考えると、思い出の象徴を飾っておきたいと思うのは共通かなと感じる。

お預かりしたカレンダーの絵とポスターは、今後の保存の事も考えて劣化を出来るだけ防ぐ処置をしながら額装させてもらった。
新しくなった状態を見て喜んでもらえたのが自分にとっても嬉しかった。
後になって知ったんだけど、その老婦人はかなり裕福な方だったらしい。
一度は絵を全て新しいものにしたらどうかと勧められたそうだが断ったということだ。

30年前の色が少し褪せてしまったロートレックのポスターは、どんな思い出の象徴だったんだろう。
P9050091



ブログランキングです。よろしければクリックお願いします。

|
|

« 刺繍の季節? | トップページ | 芸術の秋 »

住まい・インテリア」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

額縁・額装」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/132214/6143210

この記事へのトラックバック一覧です: 30年前のカレンダー:

« 刺繍の季節? | トップページ | 芸術の秋 »