シンプルな豪華
以前にも少し書いたこともあるけど、日本国内にある額縁は大きく分けて”デッサン縁”と”油縁”の2種類になる。
基本的には水彩画などの厚みがない作品にはデッサン縁。
木枠に張ったキャンバスに絵の具を盛るという手法上、どうしても厚みが出る油彩画には油縁をお薦めすることにはなる。
ただ、作品の内容によっては逆に入れたほうが良い場合もあるし、それで作品の魅力がまた違った形で現れる事もあったりして額装は侮れないと思う今日この頃。
今回はちょっと変わった油縁
メトロ80SC オロパープル
写真を見てもらえば分かると思いますが、シンプルで幅広。
一般的な油縁には額の内側にもう一回り、ガラスやアクリルと作品面がくっつかないようにする”オイルライナー”という額の簡易版みたいなパーツが入っている事が多いけど、この額には入っていない。
その代わりに写真にある額の内側にある銀色の縁取りがそうなんだけど、”入れ子面金”という素材を使って作品がアクリルにくっつかないようになっている。
色はオロパープルという擦れた紫色で、実際の見た目はこの上の写真が一番近い。
作例の大きさはサムホールサイズ(227mm×158mm)。これは油絵の規格サイズで通常は”SM”とか”FSM”とか表記されている。
中に入っているのは油絵・・・ではなくこれまた額。3月21日のエントリーで紹介したC-44088の額にトンボ球をギュウギュウに押し込んであるものを額装してある。
ご覧の通り、何の細工も無しにスッポリ収まるくらい奥行きがある。
メトロ80SCは幅が80mmと広めだけど、それほどうるさい額ではない。
見た目の印象と反して、それほど中に入るものを好き嫌いする額ではないので、どんなタイプの絵画を入れても大丈夫。個人的には抽象画を入れるのが面白いと思う。
この額は他に幅が60mmのものもあるし、実はデッサン縁もでていたりする。
色はこのオロパープルのほかにホワイト・ブラック・ターニッシュゴールド・ターニッシュシルバー・オログリーン・オロレッドの7色。
値段はサムホールで7270円。F15までのサイズがある。
和とも洋ともとれるシンプルで静かなゴージャス感があり、部屋のインテリアの主役に、というよりも小さいサイズのものをひっそりと飾るのがちょっとおしゃれかなと個人的には思います。
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余談
久しぶりに本を読んだ。
読後、正直感動したし、いろいろ考えさせられた。
”オシムの言葉”という本。
サッカーを知らない人は「オシムって誰?」ということになるけど、世界的にはものすごい有名人。
サッカーのJリーグが1993年に始まって以来、過去にも”何でこんなすごい人が、わざわざサッカーの世界地図のなかでは辺境に当たる日本にいるの?”ということが結構あった。
今の日本代表監督のジーコもそうだし、ドゥンガ、レオナルド、マッサーロ、ベンゲル、リトバルスキー、ストイコビッチなどなど。ほかにも多くの世界的なスタープレイヤーや監督が何故か日本のJリーグに参加していた。
そして今現在の最大の謎がこの人「イビチャ・オシム」。
J1部リーグのジェフ・ユナイッテド千葉の現監督。
何が謎かというと、会見のときに記者達をユーモアの煙に巻く言動もさることながら、実はこの人、旧ユーゴスラビア最後の代表監督で、それ以外にもヨーロッパサッカー界で数々の実績を持っている一目置かれている存在。
いわば名将中の名将。
世界中のビッククラブといわれる有力チームがこの監督にアプローチをしていたというのだから、何でこんなすごい人がJリーグにいるのと当然思っていた。
だからこの本の存在を聞いて読んでみようと思った。
内容はオシム監督の半生。
サッカー選手としての生い立ちから監督への転身、代表監督就任。そんな最中勃発したユーゴスラビア内紛、奥さんとお子さんをサラエボに残した状況で始まってしまったサラエボ包囲戦。内部との連絡がまったくつかない状況で何とかしようとオシム監督はヨーロッパに強力なコネクションを持つオーナーがいるクラブからのオファーを受ける。
絶望的な状況の中、何を考え行動していたか。
読み終わったあと、ただ理知的なユニークに聞こえていた会見中のオシムの言葉が今までと違った重さを持って聞こえてきました。
サッカーを知らない方でも一読する事をお薦めできる本です。
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