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2006年3月21日 (火)

ジャポニズムの香り・・・か?

通常、額縁屋で購入できる額は3種類。

  • メーカーの工場で生産され、規格サイズの大きさで組まれ出荷される「レディメイドフレーム(規格縁)」
  • メーカーの工場で生産された棹を、お客さんの要望通りのサイズで組み上げる「カスタムメイドフレーム」
  • 職人さんの工房で、額そのもの全てを作り上げる「オーダーフレーム」

前回紹介したインレイ20はこの中の一番目に当たる。
とはいっても、「規格縁」だからといって、それ以外のサイズに出来ないわけではないし、職人さんがオリジナルで作った「規格縁」というのもあるからここら辺の区分けは少々微妙ではあるけど。

今回紹介するのは2番目の「カスタムフレーム」カテゴリーの額。

c-44088_2 c-44088_5
C-44088 金

これもイタリア製の金縁。
金縁の種類の多くがどんなものにも取り敢えず合うというオールマイティさを持っているし、この額も例に漏れずそういう傾向があるから、取り敢えずお手持ちの作品を入れてみるでもおそらく失敗はない。

ただ、この額はそれだけじゃない。

 

写真から伝わるかどうか、45mmという太さのわりには控えめで、妙に侘び寂び感を感じちゃったりする。
金縁といっても金色がそんなにきついわけではなく、少し擦れたような色彩になっていて、個人的には古くなった金屏風やふすまを連想した。
この額は色違いでベージュと黒の二色があるけれど、こちらの方はどう見ても純然たる洋額の佇まいだから、シリーズの中でこの金色だけが異彩を放っている。

だからか、和のテイストのものに良く合う。

c-44088_1

この額装品は今年2月の展示会にサンプルとして出したもので、中身はまたまた切りえ。
額の大きさは400mm×200mm。
ちなみに額の大きさというのは、この場合は水彩画などを入れるデッサン縁という種類だけど、額の外側ではなく中に入れることが出来るサイズを指す。

c-44088_3

マットはうすいものと濃いものの2つの灰色マットで途中から色を切り替えるというテクニックを使い着物のようなイメージを意識した。

作品はマットの真ん中ではなく少し下に落としてある。
マットと作品との間にはベベルアクセントという奥行きをつける素材を使用してあり作品の見え幅を調節。
マット上部に破布の筋を入れてある。
基本的にはモノトーンな色調の外側に、幅の広い金縁が周っているにもかかわらず、うるささがないと感じていただけると思う。

今回の作例では、額装技術の展示会用ということで掛軸のような仕立てをイメージしたこともあって、窓の中の密度が多少高くなっているけど、以前何度かこの額を使った感じだと日本画特有の”空いた空間”との相性が良い感じがする。
ヨーロッパで作られた額にこれだけ日本人の感性とフィットするものがあるなんて、19世紀のジャポニズムの影響が今日に至って侘び寂びの理解に足をかける所まで来たのかと胡散臭い事を思ったりした。

で、お値段なんだけど、既に工場で規定のサイズに組まれている「規格縁」に比べ「カスタムフレーム」はお客さんの要望のサイズに合わせて一点づつ手作業で作るという性質上、少々割高になってしまいます。
ごめんなさい。

そういうわけで、インチサイズ(254mm×203mm)で9870円。

この額は作品にささやかな風情を与えてくれる希少な額です。



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