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2006年4月11日 (火)

素朴さを修飾する

P4080017 横手由男さんの絵のコピーがあったので額装してみた。

通称 雨さんと呼ばれるこの画家さんはコアなファンが多いのでご存知の人も多いと思うけど、全国を放浪しながら貧しさのなかで誰かに教わる事もなく板絵等の独自の技法を編み出し、旅先で出合った石仏や人物や風景を素朴なタッチで描いた方。
周りにあるものを全て画材に使って、土やコケや花で色をつけたり足元に落ちているものを筆の代わりにしたり、とにかく独創的な感性でシンプルに描き上げられた作品には優しさのような寂しさのような繊細な感じがある。
横手さんの人生を知ると、あるがままにを地でいっている人のようで、そんな人の絵を額縁に入れるというのはちょっと考えと違ってしまうかなとも思うけど、そこは額縁屋のやることとして大目に見てください。

P4080014 作品が白に黒い細いラインで描かれているため額は黒ベースのそんなに太くないものを使おうと思い選択。

アジア30 ブラックグリーン

素材はMDFで表面の模様は3月27日に紹介したメトロ80の色違いのようになっている。ただこのアジア30は種類が今のところ全16種類と豊富で、ただの色違いや模様がまったく違うものまである。
P4110025 今回その中でもこのブラックグリーンを選んだのは作品の雰囲気と横手画伯をイメージして自然の野原のような感じを生かそうと考えたから。

・・・あと、黒が好きだから・・・。


P4080015 正直言ってこの額はどんなものにでも合う。
幅は30mmで見た目の印象も太くなく細くなくとかなり使いやすい。
値段もインチサイズ(254mm×203mm)で2100円とかなりお手ごろで、とりあえず入れておくだけでもお薦めできる。
ただ、面白いものでこういういわゆる普通の額でもレグノ50の時に書いたような衝撃的にはまる作品との出会いというのがある。そのときの色は、今回のこのブラックグリーンではなくて、クラシコゴールドという黒と金色のタイプだったけど、お客さんが東南アジアのお土産で買ってきた大きな刺繍とあまりにはまりすぎて額とマットまで含めて一つの作品のように見えた。
許可を取ってないので写真が載せられないのが残念。
P4080018 そんなことがあるからひょっとしたら今お手持ちの作品がこのブラックグリーンの運命の相手かもしれない。

さて横手画伯の作品の額装。
最大の問題がマット。
作品のイメージから普通に白いマットにしようかとも思ったけど、逆に作品の白を引き立たせるため勝手に少し色を入れることにした。
横手先生ごめんなさい。

P4080016 作品の白を引き立たせるための黒と、土と植物を意識した茶色・緑色のトリプルマットでテクスチャーがよく似たものを選択。
うるさくならない程度に見え幅を調節して真ん中の茶色のマットは少しかたむけた。これで視線が作品に行き易くなったと思う。

通常なら、作者ないし持ち主の意図に沿って額装するのだけど、今回はあくまで私室に飾るインテリアという想定にしてそこに重点を置いて額装してみた。

絵に合わせて選択できるアジア30。あなたの作品に合う色があるはずです。


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コメント

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投稿: 吉田 | 2006年4月13日 (木) 19時36分

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