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2006年6月

2006年6月30日 (金)

「額ぶち」展覧会終了

去年の11月から静岡県の東・中・西部で行ってきた「額ぶち」展覧会も無事に終了。
今回の西部展には秋野不矩美術館という場所が良かったせいか、800人を超えるお客さんが来てくれた。
来ていただいた方達は、どうも有難うございました。
おかげさまで用意しておいたパンフレットとアンケート用紙は全てなくなってしまい、最後の方のお客さんにはお渡しすることが出来ずに申し訳ないことをしてしまいました。
次の機会にはちゃんと余裕を持って用意します。

P6260046 今回うちが出させてもらった額装品は8点。
その中でも着物の破裂と伊達襟と帯締めを額装したものが、わりと受けが良くて、お客さんから自分が持っている破裂で同じものが作れないかというお問い合わせをいくつか頂いた。
最近はこういった着物をインテリア品にして飾る人達が結構いらっしゃるらしく、実はこの展示会中にもこの作品とは関係ないが、インテリアコーディネーターの方からホテルのインテリアに使いたいということで、2点ばかりお預かりした。

P6260047 今回使った額は既製品のTフレーム(900mm×300mm)の黒で値段は7,500円。
この額は竹のデザインで、色は他に茶色がある。
また同じデザインで、カスタムフレームもあるので値段は上がるけど任意のサイズで組むことも出来る。
このシリーズは従来の規格サイズのほかに今回使ったような細長いサイズのものも何種類か出ている。
そのせいもあって、うちに書の額装を頼まれるお客さんに好まれている。

P6260048 今回のこの額装、下の緑の部分から伊達襟→着物地→着物地と
重ね襟のような感じにしてある。
刺繍などもそうだけど、布のものを額装する時、固定方法に悩まれる方が多いようだけど、方法はいろいろあって、今回はアーカイバル・ボードという無酸の紙ボードに糸で縫いとじしてある。
この方法なら例えば後で別のことに使いたくなったときでも糸をきれば元通りになるので中身の交換も考慮に入れるならお薦めの方法。

P6260050 マットは下は古代金のような色で上は布地のような模様の入った黒マットを使い、本来、マットの窓を開けた部分は45度の角度をつけて切る「ベベルカット」のため、マットの中地の白い色が切断面に出てしまうのだけど、今回の額装のイメージには合わないと思い、内側に向かって45度の角度をつける「逆ベベルカット」を使って白い色を出さないようにしている。

P6260049 今回は着物という事もあって全体的に和のテイストを中心に額装してみたが、この額自体はエスニックな雰囲気にも使うことが出来る。
過去にも東南アジアやインドのものを額装したことがあるが、全く違和感なく溶け込んだ。
意外と飾る場所にもこだわらない額なので、オリエンタルな雰囲気な物にはとりあえず試してみてもいいかもしれない。


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2006年6月22日 (木)

展示会中日

2bxdvc00101_i 展示会も三日目。
東部・中部の時に比べても、秋野不矩美術館という場所がいいのか、テレビや新聞に載ったこともあって盛況の様。
前回紹介したうちの額装の「SAMURAI BLUE」も時事ネタだからだろうけど静岡ローカルのニュース番組にババーンとでていたらしい。
これでより多くのお客さんが来てくれるといいなと思ったりして。
4n9dvc00090_i_1 実は昨日限定で、お客さん持込のL判写真を使った手作り額ぶち教室というワークショップを開催していたんだけど、これがかなり好評で、急遽話し合いの結果、土日にも開催する事が決定しました。
興味がある方は写真を片手にご来場ください。
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2006年6月20日 (火)

「SAMURAI BLUE」っぽい

W杯で盛り上がる日々をお暮らしでしょうか?
サッカーボケをしていたわけではないのですが、もう既に告知したような気になっていました。

Safa2_1 何と、今日(6月20日)から25日まで、静岡県浜松市にある秋野不矩美術館2F市民ギャラリーで、県内3回目となる静岡県の額縁屋さんによる「額ぶち展覧会」を行います、というか行っています。
前回、前々回に引き続き、絵などを入れるだけではない額縁の使い方や少し変わった額装品を展示しています。

と、言う事で、今回も展示会用の額装品を一つだけご紹介。

やっぱりW杯期間中ということもあるからユニフォームを額装したいとは思っていたのですが、結構大きいものになるので、何かミニチュアサイズでいいものがないかと探していたところ丁度イメージにピッタリのものを発見!

ケロロ軍曹であります。

で、早速額装することに。
そういうわけで軍曹にはユニフォームを脱いでいただくことにしました。
P6160054
ちょっと寒そう。
軍曹には夏なのに冬眠でもしていただいて、とりあえず「SAMURAI BULE 2006」っぽい額を選択。

P6160051 C-46011 ブルー

写真には赤いウッドフィレを後付で取り付けてあるので、額本体は外側の青い部分です。
ここまで真っ青な額はあまり種類がないし、仕事の中でも使った事がそんなに多くないので面白がって使ってみました。
結構ジャパンブルーです。
P6160049 額装のイメージとしては、日本代表のユニフォームそのまま。
マットは上が青、下が赤のダブルマットで、額とフィレのカラーパターンを繰り返した。
P6160052 そして、今回の日本代表のユニフォームの特徴の、両脇に入っている、日本刀の刃文をイメージしたという波模様を水色と銀色のマットを切ってブルーのマットにつけてみた。
P6160053 ユニフォームには膨らみをつけるために厚紙を丸めて入れてある。
そして例のごとく額の裏にボックスを作って内側に芝をイメージしたグリーンのスエードのマットを貼り付け、白いクレヨンでグランドのラインを引いた。
P6160050
一つ残念だったのが今回のW杯の公式球である「+チームガイスト」のミニチュアがどうしても見つからなかった事。
泣く泣く通常のデザインのフットバックのボールを入れてあるけど、いずれは見つけて取り替えようと思っています。

ミニチュアを使ったので、今回は四ツサイズ(424mm×348mm)の額に収める事が出来た。
記念品のようなものになったと思う。

このような作品をうちからは8点出させてもらっています。
各店合わせて70点ほどの作品を展示してありますので、是非見に来てください。



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2006年6月 6日 (火)

額の裏にあるもの

古い額縁を新しい額と取り替えたいという依頼がある。
「普通の仕事では?」と思われるかもしれないけど、この場合”古い”というのがどのぐらい古いのかというのがポイント。
もちろん、”額を直す”のではなくて”新しい額に入れ替える”訳だからポイントと言っても何か問題があるという意味じゃない。むしろ逆。
古い物ほど裏板を開ける時の楽しみがある。

テレビなどでヘソクリを額の裏に隠しているシーンを見たことがあると思う。
実際にそんな金銭的なお宝を見つけた事はないけど、額縁の裏側という所には、何か、物を隠して(しまって?)おきたくなる魅力があるのか、時折作品以外のちょっとしたものが一緒に入っている。

先日みえたお客さんが持ってきた古い額。
亡くなったご両親の写真が額装してあった。
早速、裏板をはずしてみると、中からもう一枚別の写真と黄色くなった新聞紙が出てきた。
写真は額装されている人の別の写真で、関係あるということで入れたのだと思う。

P5130021 で、ワクワクしたのが新聞紙。
新聞紙自体は作品の裏当てに使われていることが昔はわりとあったので、別に新聞紙が出てくるのが珍しいというわけではないし、よくある事といってもいい。
ただ、この新聞をなんとなく眺めていて、なぜかひどく読みにくいことに気がついた。
おかしいなと思って日付欄を見てみると、右から左に「昭和十四年五月二十五日」とあった。
P5130022 さっきも書いた通り、古い新聞紙が出てくる事はよくある。
でも、戦前のものが出てくるのは初めてだった。
興味津々で内容を読んでみると、
「満州鉄道の警備の仕事をやってみませんか」とか、
「満州拓殖公社社債の募集」とか、
「虫歯を放置して敗血症になる人が増えています」とか、
なかなか時代の匂いがして楽しい。
P5130027 P5130026_1
で、それらの横がスポーツ欄になっていて、プロ野球ではなく、職業野球で阪急と巨人の優勝争いが最終日までもつれて、今夜の試合の展望は?といったような記事が載っている。
しかもどうもこの職業野球のことを「大リーグ」といっていたらしい。
なかなか知らない事がいっぱいだ、などと感じてしまった。

P5130023 P5130025

ここまで古いものはなかなか出てくる事は少ないけど、額縁の中というのは用途の事を考えても一種のタイムカプセルなのかもしれない。

ひょっとするとあなたのお家にある額の中にも…


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2006年6月 2日 (金)

力感を生かす土っぽさ

6月に突入。
先月は、「悪い事は重なっておきる」を実体験して、正直言ってブログを書く所ではなかった。
未だに尾を引いているけど、今月は何かいいことあるといいなと願うばかり。

さて久々に額の紹介。

毎年この時期には、うちを懇意にしてくださっている山田浩二さんという作家さんの展示会がある。
もう10年位額装をさせてもらっているが、基本的にはシンプルなものがお好みなので、額は見本の中から話し合いながらご自分で決められるし、マットも少しエンボスしてある2mmのホワイトマットを作品と合わないことがない限り使っている。
ただ、数ある作品の中には何点か、シンプルな組み合わせでは額が負けるなぁと感じるものがある。そういうときには額装のアイディアを話し合いながら、少し手を加えたものを作らせて貰っている。
P5250030 今回の作品は、「風神」と書かれた書。
渋紙(たぶん?)に少し崩れた力強い書体で書かれていて、線の擦れや墨の飛沫の飛び具合などに「風神」らしく、風を感じる気がする。
文字の具合や紙の色など作品の持つ雰囲気がホワイトのマットにはどうしても合う気がしなくて山田さんにそう伝えると、ご本人もそう考えていらしたらしくこれはデザインマットでいこうという事になった。
そこで問題になるのが額縁。
デザインマットにするからには作品とトータルした額の内側の存在感が強くなる。
ただでさえ力強い印象の作品に負けないものということで、山田さんと規格縁やカスタムメイドのサンプルを引っ張り出しては合わせて、「こうじゃない」とか「もう少し暗く」とかやっていた。
で、思い浮かんだ一つの額。
P5250032 レグノ39 古代

金色の下地の上に濃い茶色の、樹皮のような土のような、そういったものがデザインされていて、幅40mmというわりにはものすごく重量感のある印象を受ける。
他にマホガニーと木地の、合計3タイプがあって、順に茶色が薄くなっていくけど癖が強いのは変わらず、かなり中に入る作品を選ぶタイプの額ではある。
P5300003 ただ今回に関して言えば、作品の力感は言わずもがなだけど、雰囲気の中にある素朴感というか、町の中にふいている風じゃなくて、懐かしい田舎にふいている風という印象を受けていたので、この額の土っぽさが合うのではないかと思った。
そこで山田さんにお見せすると、ご本人的にも感じるものがあったご様子で、古代とマホガニーのどちらにするか迷われたけど、結局、古代を使うことで意見の一致をみた。

P5250036 次はマッティング方法を決めるのだけど、これがまた問題で、既製のカラーマットやファブリックマットを思いつく限り組み合わせてやってみたけど全然合わない。
何というか、均一の色とかテクスチャーといったものと、とことん相性が合わないようで、こうなったらテクスチャーをマットに張り込むしかないという事になった。
で、何かないかと探したけどこれまた見つからない。
P5250035 結構途方にくれた時になって、山田さんが「作品の書き損じがあるけど、それが何とか使えないか」と気がついた。
面白いかもと思って後日持ってきていただくと、少しづつ紙の色が違う3枚がきた。
試してみるとこれが良く合う。
ただ、全体を覆うには一枚一枚が結構小さいので、継ぎを当てるような感じで3枚を組み合わせて、ついでに少しふわっとした感じを出すように和紙糊を全体ではなく部分的につけてマットに張り込んだ。

P5250034 出来上がったマットを作品と額にあわせてみると、さすがにピッタリ
はまってはいるのだけど、イメージが連続しているのでメリハリがなくなってしまったため、マットに、擦れ金で墨の飛んだような黒いまだら模様の入ったフィレーをつけて、更に少しだけ黒が見えるようにダブルマットにした。
出来上がりは写真の通りだけど、本物は小全紙の大きさ(660mm×510mm)と、ちょっと大きい事もあって結構迫力のある作品になった。

レグノ39はかなり個性的な額にも関わらず実は規格縁。
入れる物も飾る場所も結構選ぶ額だと思うけど、出来上がりはご覧の通り、かなり力強いものになるか、もしくは以前の例ではものすごく素朴なものになる。
値段は今回使った小全紙サイズ(660mm×510mm)で12600円。インチサイズ(254mm×203mm)で5250円。

Yamada2006 山田浩二展は6月2日から4日まで、静岡県沼津市大塚299の長興寺でおこなわれています。
書だけではなく、こんな優しい絵を描く作家さんですので、興味がある方は見に行ってはいかがでしょうか。
入場料は無料。
今回の作例「風神」の書は茶室に飾ってあるそうなので、是非本物を見てみてください。


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