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2006年7月

2006年7月27日 (木)

海外の絵画のサイズというお話し

P7250038_1 いよいよ夏休みシーズンに入ったようで、皆さんの中にも今年は(も)海外に行く予定の非常にうらやましい方たちがいると思う。
そんな人たちに、夏休み中も仕事な筆者からの、知っておくとちょっといいかもしれない豆知識。

毎年、長期休暇の後になると、海外で買ってきた絵画の額装の注文を良く受ける。
作品の種類も、水彩画・リトグラフ・銅版画等の紙に描かれたものから、刺繍・陶板画のような板状のものなど様々だけど、これらのような作品は基本的にはデッサン縁にマットなり、厚みを加えるなりして寸法を調節して額装するのでこれといって問題はない。

ところが作品が油絵となると、ちょっと問題になることがある。
それは規格サイズのズレ

油絵のサイズは”F3”とか”F10”・”F50”といったような「Fサイズ」の他に、”M3”・”P3”といったような、Fサイズと長い辺の寸法は同じで短い辺の長さの異なった「Mサイズ」・「Pサイズ」というものがある。
この表記の仕方は日本でも海外でも共通だから、例えばフランスの道端に売っている油絵を指差して、<フランス語>この絵はF10か?</フランス語>とか聞けばちゃんと通じる。

では何が問題なのかというと、同じサイズを示しているはずが、日本のものと海外のものとでは実寸法に微妙にズレがある。

Size 例えば日本でのF10のサイズは530mm×455mmだけど、海外の規格では550mm×460mmとなっていて、長手で2cm、短手で1.5cmのズレがある。
またこのズレもサイズによってまちまちで、F0(180mm×140mm)のように全く同じ寸法のものもあれば、3cm以上のズレがあるサイズもある。
当然、日本の額縁は日本の規格サイズに合わせて作ってあるから、これらの海外規格の絵は額装することが出来ないので特別寸法の額を組むか、絵についている木枠を日本寸法のものと取り替えることになる。

今までにも海外で油絵を買ってきて、お気に入りの額に入れようとしたけど入らないというご相談をいくつもお受けした事がある。
せっかくの旅の思い出なので、ご自宅に飾る事も考えて、油絵のサイズにはちょっとだけ注意していただければお得な買い物が出来るのではないかと思う。



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2006年7月18日 (火)

思い出に挟む栞

ここのところ1000mmを超えるような大型の額の注文をいくつも頂いて、広くはない店の中がすごい事になっている。
当然、額装する作品もそれ相応に大きいわけで、一つのことをやるのに作業台を占拠してしまい、同時進行がなかなか難しい。
作業台がもうひとつほしいと思う今日この頃。

P7110059 ふさがっていた入り口を通り抜けて、お客さんがみえた。
額装して欲しいとのことで取り出されたのが2枚の栞。
両方共、貝殻を使って蝶や花の形を作り、貼り付けている。
かわいらしくはあるが、栞としてはちょっと使えない。
どういうものなのかお客さんに尋ねると、亡くなった身内の方が最後に遺してくれた作品で、せっかくだからちゃんと飾りたいということだった。
P7110058 貝殻にそこそこ厚みがあるため、普通の額に細工をするか、厚みのある額を使うか迷ったが、300mm×150mmで額の内側の厚みが19mmという丁度いい大きさの規格額があったので使うことにした。
P7110061作品は四隅をナイロンの釣り糸に引っ掛けるようにして固定してある。
この方法なら接着剤やテープを使わずにしっかり留められるし、作品自体には何も手を入れないので、糸をはずせば元通りになる。
考えなければいけなかったのはマット。
写真を見ていただければ確認していただけるが、作品とアクリルがぶつからないようにしている。こういう額装の仕方の時はどうしても作品とマットとの間に結構大きなスペースが出来る事になる。
P7110057 こういう場合に通常の切断面が白いマットを使うと何となく安っぽい感じがして個人的には好きじゃない。
だから普段ならフィレーやベベルアクセントを使って縁取りを作るのだけど、今回は切り口に色の付いたカラーコアのマットを使ってみた。
ダブルマットで上は作品の色と合わせてエンジ色でブラックコア、下はクリーム色で茶色のコアになっている。
P7110056 今回はそんなに複雑な事をやらずにシンプルな印象で仕上げてみた。
これで合計3000円ぐらい。
おそらく作品のコストよりもだいぶかかっていると思うけど、わざわざうちに額装を頼みに来られるのだから、他の人からは感じる事が出来ない価値をそんなところに垣間見る事が出来る気がする。

P7110060 貝殻一つ一つが価値を持つ。
そういう品々と出会える楽しみがこの仕事にはある。



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