海外の絵画のサイズというお話し
いよいよ夏休みシーズンに入ったようで、皆さんの中にも今年は(も)海外に行く予定の非常にうらやましい方たちがいると思う。
そんな人たちに、夏休み中も仕事な筆者からの、知っておくとちょっといいかもしれない豆知識。
毎年、長期休暇の後になると、海外で買ってきた絵画の額装の注文を良く受ける。
作品の種類も、水彩画・リトグラフ・銅版画等の紙に描かれたものから、刺繍・陶板画のような板状のものなど様々だけど、これらのような作品は基本的にはデッサン縁にマットなり、厚みを加えるなりして寸法を調節して額装するのでこれといって問題はない。
ところが作品が油絵となると、ちょっと問題になることがある。
それは規格サイズのズレ。
油絵のサイズは”F3”とか”F10”・”F50”といったような「Fサイズ」の他に、”M3”・”P3”といったような、Fサイズと長い辺の寸法は同じで短い辺の長さの異なった「Mサイズ」・「Pサイズ」というものがある。
この表記の仕方は日本でも海外でも共通だから、例えばフランスの道端に売っている油絵を指差して、<フランス語>この絵はF10か?</フランス語>とか聞けばちゃんと通じる。
では何が問題なのかというと、同じサイズを示しているはずが、日本のものと海外のものとでは実寸法に微妙にズレがある。
例えば日本でのF10のサイズは530mm×455mmだけど、海外の規格では550mm×460mmとなっていて、長手で2cm、短手で1.5cmのズレがある。
またこのズレもサイズによってまちまちで、F0(180mm×140mm)のように全く同じ寸法のものもあれば、3cm以上のズレがあるサイズもある。
当然、日本の額縁は日本の規格サイズに合わせて作ってあるから、これらの海外規格の絵は額装することが出来ないので特別寸法の額を組むか、絵についている木枠を日本寸法のものと取り替えることになる。
今までにも海外で油絵を買ってきて、お気に入りの額に入れようとしたけど入らないというご相談をいくつもお受けした事がある。
せっかくの旅の思い出なので、ご自宅に飾る事も考えて、油絵のサイズにはちょっとだけ注意していただければお得な買い物が出来るのではないかと思う。
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