ピカソのニワトリ
以前にも書いた気もするが、額縁にも新作といわれるものが年に何度か発表される。
今年も9月に大阪で行われる額縁の展示会に行ってきていくつか仕入れてきた。
うち一点の額には、見た途端ビビッと来るものがあった。
それはあまり見た事がないデザインだという事もあったけど、それ以上にこの額に入れてみたら面白いんじゃないかという絵に心当たりがあった。
ご存知、パブロ・ピカソの描いた「ニワトリ」。
カラフルでシンプルな線で描かれたこのニワトリの絵はシンプルであるがゆえになかなか額装するのが難しく感じられてそのまま手付かずで在庫になっていた。
そこに今回のこの額。
<E-45020 ヨーヨー 白/赤>
イタリア製の額で、形状としてはシンプルな白地の平型。
そこに特徴的なのが、見ても分かるように額中央の線。
職人さんが手作業で入れたこの線は油彩を盛ったような質感で、下地が白だけにより一層引き立っている。
今回使用したのは「赤・黒・金」の色のラインが入ったタイプ。他にも「青・黒・金」のものもあるが、額装の意図として少し温かみを加えないと寒すぎる感じがするのではないかと思い「赤」の方にした。
結果としては「青」の方でも違和感はないかもしれない。
ピカソのこういうシンプルな線だけで描かれた作品群は、額装をしてみるとなんか違うなという事になりがちだった。
だけどこの額なら大丈夫かもと思い、お客さんからの注文ではないので好き勝手にやってみた。
とは言え、元の絵がカラフルな線で描かれているもののほとんどは紙の白。
額装で広い面積の色を使うのもどうかと思えた。
そこで、作品中に使われている色のうち4色を選び、それらと同じ色のフィレで細く色を使う作戦。
4色(赤・青・緑・黄)の配置は色々試してみながら一番落ち着くところを探した。
マット紙は初めはエンボス地のものを考えていたけど、実際にやってみるとちょっとつまらない。
そこで羽毛をイメージさせるスエードの白を贅沢にも使ってみた。
やっぱり季節的な事もあるし、見ていて暖かい感じがするほうがいいように思える(今は)。
クリスマスを前にして、時期的な雰囲気もでてこれはこれでいいかも。
ただ、完成した直後に欲しいというお客さんが2人も現れて、こいつと一緒にクリスマスを迎えられない予感。
嬉しいのか寂しいのか。
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