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2018年5月 7日 (月)

ベベルカットとウッドフィレ

 当店では様々な種類の作品の額装をさせて頂いてます。
 よくお預かりするものでは水彩画・油絵・七宝焼き・刺繍・デッサン画・パステル画などですね。

 油絵の額装では、そのキャンバスの木枠に合わせた大きさの額縁にすっぽりと収める形となりますが、水彩画やパステル画などの厚さの薄い用紙などに描かれた作品には、表面に作品を見せるための窓穴を開けたマット紙を重ねて額縁に入れるのが一般的な作りとなります。
 通常の窓穴のカットでは45度程度の傾きを付けたカットでマットの中芯の色が窓穴周辺を囲うような形となります。これはライトによって窓穴の影が作品にかかるのを避けるためで『ベベルカット』と言われています。

Dsc_4897s

 またこの『ベベルカット』とは違う手法として『フィレ』という飾り装飾をマットの窓穴に取り付けるという方法もあります。

Dsc_4899s

 この方法ですと作品の周りにもう一回り細い額縁が入る感じになるので作品の重厚感がグッと増します。

 マット紙は作品の保存性を高めるために入れる額装素材です。
 とは言え、それだけではなく作品と額縁の雰囲気を繋ぐためのものでもあります。
 以前は「マット」と言えばホワイトやブラックのものがほとんどでしたが、現在マット紙の色の種類はかなり多くの数が出ています。また、フィレもウッド素材のものやプラスチック素材のものなどいろいろと出ています。ですから、作品と額縁の色に合わせた組み合わせを色々と試してみるのも作品の魅力を引き出す一つの方法ではないでしょうか。

 一言に「額装」と言ってもその手法は様々あり、よりその作品の魅力を引き出す方法を模索するのが額縁屋における額装の仕事だと考えています。マット紙は「額装」において重要な部分であり、どのマット紙をどのように組み合わせて使うかという選択に時には額縁を選ぶよりも時間を使うことがあります。

  好みに多く左右される要素なので正解はないのかもしれませんが、自分ならではの自分の額装を作るのはかなり楽しい事と思います。

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