旅行・地域

2017年4月28日 (金)

海外旅行で注意したい油絵のサイズの罠




今年もやって来ましたGWです。

今年も多くの方が大型連休中の海外旅行を計画されているのではないでしょうか。
アートの理解が深い文化的な町では街頭で作家さんが自分の作品を展示して売っているを見かけます。
好みの作品との遭遇は運命的なものもありますのでたまたま見かけた作家さんの作品でも通りすがりにビビッとくる事もあるでしょう。
そういった作品との出会いも素敵な旅行の思い出の1ページになります。

ですが、その作品が水彩画やリトグラフのような薄いシート状のものならデッサン縁を使用して通常通りに額装出来ますので良いのですが、木枠に張り込んだキャンバスに描かれてる場合、日本に帰ってから額縁に入れて飾るのにひとつハードルが発生する事があります。

それは、日本と海外で規格サイズにズレがあるということです。




木枠に張られたキャンバスに描かれた作品…多くは油絵になるのと思いますが、現在世界には大きく言って4種類の木枠の『規格サイズ』が存在します。

日本サイズ、フランスサイズ、国際キャンバスサイズ、アメリカサイズです。

よく作品の大きさを表すのに『◯号』とか『F◯』、『P◯』、『M◯』と言うのをお聞きになったことはないでしょうか?

先に上げた4種類の規格サイズの内、アメリカサイズだけは基本の単位がインチ(inch)ベースになることもありこういった『F◯』のような規格ではありません。
ですが、日本サイズ、フランスサイズ、国際キャンバスサイズの3種類は同じcm(センチメートル)基準で『F・P・M』サイズ表記ではあるのですが実はその寸法に多少のズレがあります。



よく使われる木枠サイズの比較リストです。
このズレによって海外で買ってきた作品を日本で買った額縁に額装しようとした場合にうまく入らないということが起こります。その場合特別寸法で額縁を組む事になります。

とは言え気に入った作品との出会いは是非大切にして欲しいという思いもあります。
通常の手法以外の額装方法もありますのでどうしても気に入った作品が木枠に張り込みだった場合は額縁屋にご相談下さい。
出来る限りご要望に沿ったアイディアを提案させて頂きます。

良い旅行を!

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2013年6月27日 (木)

富士山

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6月26日、富士山がユネスコの承認のもと世界遺産に登録されました。

議論もあった三保の松原も含む形とあって静岡県内でも話題の中心となっています。

当店も富士山を望む沼津市にありますので夕方に登録の速報が入った時にはモニターに釘付けになっていました。


古くから日本の象徴的な意味もある富士山ですから浮世絵や写真、絵画で多く扱われています。

当店にも何点かモチーフになっている作品がありますが作家さんそれぞれの思いの違いもあって、それぞれに表情の違う富士の山が描かれています。

特に海外の方の描かれたものなどは普段から見慣れたものとは違っていて感性よる解釈の違いを見せてくれます。

世界遺産に登録されたことでより一層世界中からそういった素晴らしい作品が生まれてくるのをワクワクしながら待っています。

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2006年7月27日 (木)

海外の絵画のサイズというお話し

P7250038_1 いよいよ夏休みシーズンに入ったようで、皆さんの中にも今年は(も)海外に行く予定の非常にうらやましい方たちがいると思う。
そんな人たちに、夏休み中も仕事な筆者からの、知っておくとちょっといいかもしれない豆知識。

毎年、長期休暇の後になると、海外で買ってきた絵画の額装の注文を良く受ける。
作品の種類も、水彩画・リトグラフ・銅版画等の紙に描かれたものから、刺繍・陶板画のような板状のものなど様々だけど、これらのような作品は基本的にはデッサン縁にマットなり、厚みを加えるなりして寸法を調節して額装するのでこれといって問題はない。

ところが作品が油絵となると、ちょっと問題になることがある。
それは規格サイズのズレ

油絵のサイズは”F3”とか”F10”・”F50”といったような「Fサイズ」の他に、”M3”・”P3”といったような、Fサイズと長い辺の寸法は同じで短い辺の長さの異なった「Mサイズ」・「Pサイズ」というものがある。
この表記の仕方は日本でも海外でも共通だから、例えばフランスの道端に売っている油絵を指差して、<フランス語>この絵はF10か?</フランス語>とか聞けばちゃんと通じる。

では何が問題なのかというと、同じサイズを示しているはずが、日本のものと海外のものとでは実寸法に微妙にズレがある。

Size 例えば日本でのF10のサイズは530mm×455mmだけど、海外の規格では550mm×460mmとなっていて、長手で2cm、短手で1.5cmのズレがある。
またこのズレもサイズによってまちまちで、F0(180mm×140mm)のように全く同じ寸法のものもあれば、3cm以上のズレがあるサイズもある。
当然、日本の額縁は日本の規格サイズに合わせて作ってあるから、これらの海外規格の絵は額装することが出来ないので特別寸法の額を組むか、絵についている木枠を日本寸法のものと取り替えることになる。

今までにも海外で油絵を買ってきて、お気に入りの額に入れようとしたけど入らないというご相談をいくつもお受けした事がある。
せっかくの旅の思い出なので、ご自宅に飾る事も考えて、油絵のサイズにはちょっとだけ注意していただければお得な買い物が出来るのではないかと思う。



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2005年11月 8日 (火)

額装品展

いよいよ明後日から展示会が始まる。
うちだけの主催というわけではないけど、うちが入っている静岡県の額縁屋さん協会の主催で、しかも美術作品ではなく額縁の展示会。
業者さん向けのこういう展示会はあるけど一般向けというのは今まであまりなかったと思う。
といっても額縁に何の興味もない人に、中に何も入っていない額縁を見せても誰も来てくれないから、今回はみんなでちょっと変わった物を額装して展示しようという事になった。
だから額縁の展示会というより額装技術の展示会のニュアンスが強かったりする。

で、協会の役員なんかをやっているうちとしては、この展示会シーズンのなか展示会の準備にも追われていた。
というか今現在も追われている。
いや、追いつかれた。
ブログを書きつつ現実逃避。
大丈夫か俺?

とりあえず、展示会に出す額装品の何点かはもう出来た。
そのうちの1点は去年、店内装飾用にクリスマスに作ったやつをリメイク。
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クリスマスに雪だるまサンタがプレゼントと一緒に降って来るというもの。
白木っぽいモールディングのイメージが何となくクリスマスに見えた。
中身になっているものは100円ショップで買ってきたクリスマスツリー用のオーナメントをそのまま利用。
裏をボックスにして奥行きをつけた。
というのもアクリルを2枚使ってプレゼントと雪だるまを手前と奥で重ねて立体的にしたから奥行きが9cmにもなってしまって壁にはちょっと掛けにくい。まあ、店内用だからいいかという事で、小さいイーゼルに立て掛けた。
マットはクリスマスをイメージして赤と青紫のダブルで、店の前を歩く人の目を引くような配色にした。が、、、今になって見ると好み的にはかなりうるさく感じる。

PB080006で、今回はマットを替えてみた。
オフホワイトと金の柔らかいテクスチャーのマットに擦れ金のプラスチックフィレ(マットの穴の周りを装飾する材料)を巻いて、ちょっと上品にしてみた。
ただこれだけだと色味的に少し寂しいので、緑っぽいホログラムチックな紙でべベルアクセントというマット穴に奥行きを付けるものを作って、ちょっと神秘的な雰囲気を追加。写真だと分かりにくいけど、以前の賑やかなものから静かな感じに変わった。
好みはあると思うけど、自分的にはちょっと気に入っている。

こんな感じのものばかりじゃないけど、ちょっと面白いかなと思う物を各額縁屋さんが技術を競って額装した展示会を静岡県沼津市を皮切りに今年・来年と県内3箇所で行います。
近隣にお住まいで、ちょっとでも興味を引かれた方も、そうでない方も是非来て見てください。
今回の会場は、静岡県沼津市大手町の仲見世商店街の中にあるマルサン書店の地下1階展示場。以後、来年2月に静岡駅ビルパルシェ5F、4月に浜松市秋野不矩美術館を予定しています。

静岡県アートフレーマーズ協会主催
額ぶち展示会 東部展
マルサン書店 沼津仲見世店B1ギャラリー
2005年11月10日(木)~15日(火) 10:00-20:00(最終日は16:00終了)
静岡県沼津市大手町5-3-13



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