額縁

2009年3月16日 (月)

竹久夢二のよもぎ

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前回に引き続き和額について書こうと思いましたが、単純に和額といっても種類が多いのと、当店でも取り扱いはありますがあまり数が多くないため、また後日にまとめてご紹介します。

Dsc_5695s先日、店内インテリア用の額装品を製作しました。

当店の近所に新しく開店する小料理屋「心」さんのカウンターの後ろのスペースに飾るためのものです。

結構広いスペースが空いていたため額装をそれに合わせたサイズになっています。

中に入っているのはお客さま自身が探してこられた壁紙で竹久夢二の「よもぎ」のデザインとなっています。

額はナチュラルな感じのスペイン製の「サバンナ」を横長の寸法で2枚並べて使用しました。

店内がシックな和のイメージということと、素材が市販の壁紙なので保存性を考える必要がないとのことからマット紙やフィレーなどの装飾は何もつけてありませんし、ガラスやアクリルなども入れていません。

ちょっとしたものでも使い方しだいで店内のイメージを補強する事が出来るのではないかと思います。

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2009年3月 2日 (月)

額縁の種類と使い方~デッサン縁~

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デッサン縁は主に薄い紙などに描かれた絵を額装する額で、多くの場合マット紙と併用します。
DIYショップでA4などの寸法で売っているものも、このデッサン縁で、一般的に触れる機会の多いタイプの額だと言えます。

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とは言え、一口にデッサン縁といっても種類によって奥行き、紙に描かれた絵だけではなく額装方法を変えるだけでいろいろな厚みのものに対応できます。
このブログで紹介した立体額装もほとんどがデッサン縁を使用して作ってあります。

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規格サイズは下から

  • インチ/254mm×203mm
  • 八ツ(やつ)/303mm×242mm
  • 太子(たいし)/379mm×288mm
  • 四ツ(よつ)/424mm×348mm
  • 大衣(だいころ又はたいころ)/509mm×394mm
  • 半切(はんせつ)/545mm×424mm
  • 三々(さんさん)/606mm×455mm
  • 小全紙(しょうぜんし)/660mm×510mm
  • 全紙(ぜんし)/727mm×545mm
  • 大判(おおばん)/850mm×660mm

となっており、額の種類によってはMO判/890mm×690mmと言うサイズがこの上にあります。
広い意味では写真額もデッサン縁に入るかもしれません。

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裏板を開けると、中には大抵ガラスないしアクリルと裏当ての紙、厚さ調節用の厚紙が入っていることが多いと思います。ただしDIYショップや100円ショップで売られている額は奥行きがないものが多いため、裏板のみで他には何も入っていないことがあります。

額のサイズというのは外寸ではなくこの額の内側の作品が入るスペースのサイズの事を指します。

P3010083s P3010084s

油縁とは違ってデッサン縁にはガラスやアクリルと作品の表面をくっつけないための「オイルライナー」は入っていません。
そのため保存性を考えた額装には、作品の見せたい部分の寸法の窓穴を抜いたマット紙を作品とガラスの間に入れます。

Capture01s

よく、マット紙の余白部分をどのぐらいにしたら良いのかと聞かれますが、上下左右でだいたい60mmから70mmづつが良いとされています。
これは作品のバランスによっては異なってきますので一つの基準としてお考え下さい。

また、作品の裏側にじかに裏板を当てるのは劣化を促進させることがあるので、出来れば当て紙を当てる事をお薦めします。

額縁の種類と使い方~油縁~

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2009年2月28日 (土)

額縁の種類と使い方~油縁~

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額縁と言ってもいくつかの種類がありますが、よくある額としては油縁・デッサン縁・和額の3つに分けると分かりやすいと思います。

写真は油縁です。

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油縁という名前ではありますが、別に油絵だけではなくキャンパスを張った木枠のように厚みのあるものを額装する時に使用します。
よくある油絵以外の使い方としては、七宝や漆喰のこて絵、小型な立体物などの額装に使います。
通常に扱いのある油縁の規格サイズはF0・SM(サムホール)・F3・F4・F6…といった表記があり、これはよく絵のサイズで3号とか10号といっているものと同じ意味です。
お持ちの絵に合うサイズが分からない場合は、その絵が木枠についているなら裏側のところにサイズが書いてあることが多いので確認してみてください。

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このタイプの額は裏板を外すと中にもう一つ額縁のようなものが入っていることが多いと思います。
これは「オイルライナー」という部品で作品はここの内側にはめこみます。

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「オイルライナー」の役割は作品の表面とガラス面との間にスペースをつけることです。
実は海外から持ってきた油絵やアクリル画の額装品にはこの「オイルライナー」が入っていないことが結構ありますが、これは海外では油絵やアクリル画の額装にアクリルやガラスを入れないことが多いためのようです。

日本では作品表面を保護する意味合いからほとんどの油縁に「オイルライナー」が使用されています。
ですから、たとえば「F10の油縁」と言った場合、額の内側ではなく、オイルライナーの内側の作品が入る部分の寸法がF10であるという意味になります。

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また以前の記事にも書いたのですが、日本のF10などの規格サイズと、海外の規格サイズとでは微妙にズレがあるためお求めの際には気をつけてください。

額縁の種類と使い方~デッサン縁~

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2009年2月24日 (火)

マット紙の角には注意しましょう。

「美しいものを見ている仕事で楽しそうですね。」と、よく言われたりします。

確かにその通りではあるのですが、実はこの仕事かなり怪我をします。

額装の作業に様々な、刃のついた機械を使用します。

ガラスも日常的に触ります。

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でも、一番怪我をする確率が大きいのはマット紙です。

在庫の中から使用するマット紙を探していて気が付いたら指から血がたれていたなんてことはよくあります。

紙はかなり鋭い刃物のようで、いつ指を切ったのか全然分からないなんて事はしょっちゅうです。

怪我をしたときは作品に血をつけるわけには行かないので絆創膏を貼って仕事をするわけですが、その絆創膏、以前はバンドエイドのキズパワーパッドを使っていました。

キズを早く治す効果のあるタイプで、気のせいか貼ってすぐ作業しても痛みをあまり感じないので、かなり重宝していましたが、ただ1点、かなり厚みがあるので指の曲げ伸ばしに違和感があるのが難点でした。

そんな時、うちに出入りしている薬屋さんが置いていった「プロテクトスキンフィルム」というのを使用したところ、これが結構いい。

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何でも美容師さん用に開発された保護シートだそうで、粘着力がかなり強くて貼っているのを忘れるぐらい違和感がない。

説明書によるとキズを治す効果はない為、使用後には絆創膏に替えましょうとのことですが、仕事中にはこれで充分です。

今ではこれを愛用しています。

怪我をしないのが一番ですけど。

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2009年2月22日 (日)

行ったことない人への額縁屋の使い方

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額縁屋を利用したことがないという人は結構いらっしゃると思います。
実際にご来店されたお客様でも「額が欲しいけど、どうしたらいいか分からない」と言われる方がよくいらっしゃいます。

そこで額縁屋を利用される際の流れとポイントを当店ではということでまとめてみようと思います。
とはいえ多少違いはあるとは思いますが他のお店でも通用するはずです。

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まず額装の際に必要になるのは中に入れたい作品や記念品などの寸法です。

この作品の縦・横・厚みの寸法から、額縁やマット紙の大きさ、厚みの追加分などのサイズの目安が出るため、可能であれば作品本体を店までお持ち下さい。

しかし、例えば作品が大きすぎて持ち運べないとか、高価なもので外に出したくないなど、様々な事情でお店まで持ってこれない場合は作品の全体像とディティールを写した写真を数枚と、縦・横・厚みの寸法を測ってお持ちくだされば対応が出来ます。

またちょっとしたポイントなんですが、飾る場所の写真をお持ちくださると、額の色やデザインを決める際に非常に役に立ちます。

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寸法が分かればここからはお客様と話し合いながら額装方法を決めていくことになります。

どういう額を使うのか。
マット紙を使用するのかしないのか。使用するなら何枚か。
額装の印象をシンプルにするのか、デコレーションを加えるのか。

などの事柄を額装シミュレーションを使用しながら打ち合わせしていき、見積もりを取っていきます。

金額に関しては、大きさ、使用する額やマット紙などの素材、額装方法などで大きく変わるので一概に幾ら位とは言い難いです。
そのため手順としては、最初にお客様のご希望通りの額装設定の見積もりをして、そこから削るないし追加する事となります。

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お客様の了解を得次第、製作に入ります。

当店では素材の在庫状況や注文状況によって上下しますが、平均して制作期間に1週間程の時間をいただいています。
これは当店には非常に色々な物が持ち込まれますが、「どういうものでも額に入れるためにお客様がお持ちになるものはご本人にとっては宝物である」という考えから慎重に作業させていただくためです。

額装が完成次第、連絡をして確認していただきます。
また、ご来店いただけないという場合には写真を数枚お送りして確認していただいています。

手直しが必要な場合は修正して、OKをもらった段階でお支払いしていただき、そのままお持ち帰りか配送となります。

簡単にまとめましたが、洋服などのオーダーメイドをするのと大差はないはずです。

今までどういう店か分からないので二の足を踏んでいた方も、怖いお店ではないので一度足を向けてみてください。

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2009年2月13日 (金)

一生に一度の額縁

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通常店頭で見ることが出来る額縁は、規格サイズで工場生産された「レディメイド」のものと、寸法指定で製作された「カスタムメイド」のものの2種類になります。

しかし、実はもう1種類ちょっと特殊な額があります。

それはメーカーなどが小数作っただけで生産される予定のない「スポット品」としての額です。

それだけにデザイン的な当たり外れが結構ありますが、なかには面白いと思えるものがあります。

写真の額もそんな1点でF6サイズの油絵を入れるための額です。

「ポール」という名の額で、表面にピンクとホワイトの長方形のデザインが入っています。

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どんな絵が合うかいろいろ考えましたが、ちょっと額のデザインがフランスっぽい気がしたので、在庫の中にあったパリのサンメダール広場の油絵を試しに入れてみました。

額の個性が強い分、実際に部屋に飾る場合には周りのインテリアとの兼ね合いもありますが、面白い組み合わせではないでしょうか。

気に入る「スポット額」との出会いはなかなか楽しいものです。
それに、生産品ではないため1度見送ると、その後同じ額縁と出会える可能性はほとんどありません。

額縁屋にご来店の際には「スポット額」を探してみて下さい。
一生に一度の出会いがあるかもしれません。

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2009年2月 8日 (日)

誰にでも出来る立体額装

P1290033簡単な誰にでもできる立体額装です。

裏板とアクリルを抜いた額を置物の前に立て掛けるだけ。

写真では黒い花瓶に挿した造花にイタリア製の額「クラリッサ」を置いてみました。

ポイントは色合いを揃えることで、今回は白黒のモノトーンに花の赤がワンポイントで入っています。

手前の猫の置きものは額がずれないように老いてありますがこれも色を合わせてクロネコです。

背景は白い壁ですが、小さいタペストリーを置いてみるのも面白いと思います。

見る角度によっては普通絵が飾ってあるように見えますし、斜めの角度では写真のように花が手前にとび出したりしてだまし絵のようになったりしてアイディア次第でいろいろと遊べます。

使っていない額などでお試し下さい。

 

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2009年2月 2日 (月)

英語のえほんを飾る

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以前、アメリカのフリーマーケットで買った英語のえほんです。

人間社会を猫の視点から風刺した内容がおもしろくて1ドルで買ってきました。

これも昨年末の「額ぶち展」用に額装したもので、使用している額は違うものの、前回の記事で紹介したドライフラワーの額装とイメージを合わせてあります。

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写真では黒っぽく写っていますが、黒檀のような色にシルバーの内回りが入っている額で、本を入れるのに少々厚みが足りないため、「ドロ足」という厚み調整材で奥行きを足してあります。

マットには、額装内容がポップな内容の紙の本ということもあり、スエード地のものではなく紙質のものを選択。
上品さを出すために光沢のあるオニキス色のものとプラチナ色のものを重ねたダブルマットにしてあります。

本自体は額の裏地に表紙と背表紙と開いたページの真ん中の3箇所をテグスで固定してダメージを与えないようにしています。

白い壁に黒っぽい額というのは結構映えて見えるものです。

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2009年1月30日 (金)

100円のドライフラワーをインテリアに

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昨年末の額ぶち展に出した額装品です。

ご家庭にあるちょっとしたものでもおしゃれなインテリアになるというコンセプトで額装したもので、中に入っているのは100円ショップで買ってきたドライフラワーです。

ドライフラワー自体には何も手を加えずに額の中に作ったボックスの中に入れてあります。

使用した額はイタリア製の「クラリッサ」。

うちでもお薦めな額だったんですが、残念ながらメーカーのほうで廃判になってしまいました。

P1290037

マット紙はスエードのブラックで開けた窓にシルバーの飾り装飾(フィレ)を取り付けました。

ペアで飾るように、同じデザインのものをもう一つ作り、中のドライフラワーだけ別の種類のものを入れてあります。

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額ぶち展用のものはすべて、シンプルなものをシンプルな色合いで、を心がけて作ってあります。

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2009年1月23日 (金)

ベクシンスキーの絵

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去年復刊ドットコムに注文していた「ズジスワフ・ベクシンスキー」の画集がこの度再復刊され、無事手元に届きました。

死や退廃を感じさせる終末的なファンタジーの画風なので、額装してリビングに飾りたくなるような絵ではないのですが、有機物と無機物が溶け合うような造型がおもしろくて是非手に入れたいと思っていた一冊でした。

ナチス占領下のポーランドを生きた人で、それゆえのモチーフと解読する事は出来ますが、ご本人自身はそうされることを嫌がっていて、内容自体に意味はなく絵を見たときに感じるある種の感情が全てだそうです。
言葉の通り受け取るなら、ベクシンスキーが描きたかったものとは、例えばはじめて氏の絵を見た時に感じた寂寥感とも孤独感とも恐怖ともつかない中間的な曖昧模糊とした、まだ名前の付いていないような感情で、それに名前ではなく形を与えたということでしょうか。

勝手な感想ではありますが。

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2009年1月12日 (月)

もっと額装シミュレーション

P1120024

正月休みから明けて一週間。
ご注文もいただいていて、有難いことに昨年からの引き続きのご依頼と合わせて店内がお預かり品で狭い状態で仕事しています。と、同時にご来店されたお客さんには歩くスペースがなくて、ご迷惑をお掛けしています。

申し訳ございません。

そんな中、大活躍してもらっている「額装シミュレーションソフト」。
ようやく使い方にも慣れてきて色々複雑な設定も出来るようになりました。
最近の発見は、額を飾る場所の壁紙の色を設定できる事。

ご来店の際には額を飾る場所の写真をお持ちくださると、より詳しいシミュレーションが出来ます。

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2009年1月 1日 (木)

年賀状2009

Nenga_ver3

昨年はブログの更新が滞りがちになってしまいましたが、今年は出来るだけ多くの情報をお伝えできたらと思っています。

よろしくお付き合い下さい。


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2008年11月29日 (土)

額装をシミュレーションする

Pb290017s 額装の仕事で一番難しいのは、お客様との打ち合わせの時に完成イメージをどういう風にお伝えするかということでした。

普段から額やマット紙のサンプルを見慣れている額縁屋とは違って、たとえば初めて来られたお客様に額の断片(コーナーサンプル)をお見せして最終的にこういう感じに仕上がりますとお伝えしてもなかなか理解していただくことができませんでした。

そこで以前はフォトショップで合成画像を作るなどしたのですが、寸法を正確にしようとすると細かい計算をしながらの作業で時間がかなりかかり、説明しながらお見せするというわけにはなかなかいかない現状でした。

そこで今回そういった問題を解消すべく、「額装シミュレーションソフト」を導入しました。

Screen_cap1

このソフトは作品と額・マット紙・フィレ(マットにつける装飾)等の額装に使用する素材の写真を撮影し、コンピュータの中でリアルタイムに合成、完成イメージをシミュレートするソフトで、出来上がった複数のパターンの画像を並べて見比べることもできます。

Screen_cap2

作られる完成予想図は寸法的にもかなり正確なものができますので、実際の完成品に近いイメージを事前にお見せすることができます。

導入したばかりでまだまだ使いこなせてはいませんが、いろいろ試している毎日です。


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2008年10月 7日 (火)

かとうゆめこさんの作品を額装

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かとうゆめこさんの作品を額装しました。

うちの店の近所のマンションに越してこられた方が、以前に作家さんご本人から購入された作品だそうで、今までそのまま飾っていたものを引越しを機に保存の事も考えて額に入れることにしたそうです。

これらの作品はパルプを素材に作られていて、デフォルメされたモチーフから暖かい印象を受けました。

どのような額装にするか、事前にお部屋を拝見させていただいての打ち合わせとなりました。

まず作品の中からブタとロバの動物をモチーフにしたものはリビングに飾るということで、部屋の梁の素材と作品中の色とを考慮して決定。

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またキッチン周りに飾りたいというご希望のナベやメロンをモチーフにしたものは、キッチンがホワイトを基調としたつくりのため、ダークトーンやうるさい色は使わずにちょっとおしゃれな感じのものにしました。

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額装品全てに作品とアクリルが密着しないようスペースを空けてあり、作品の裏には湿度を調節する紙(SHCペーパー)を入れてあります。

ほのぼのとした作品の雰囲気を生かすことを考えてマット紙などを使わずシンプルな額装に仕上げました。


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2008年10月 2日 (木)

ミッドセンチュリー風


以前、店内のインテリア品を任せていただいたリラクゼーションショップ(過去ログ)が、新しくエステをオープンすることになり、そのインテリアのご相談を受けました。

内装はミッドセンチュリー風で落ち着きのある雰囲気にまとめられていて、オーナーさんと、話し合いながら飾る場所やどういうコンセプトの額装品がいいのかなど詳細を詰めていきました。
結論としては店内に合いそうなものをお任せいただけることになったので、今回はポスターの額装品を2点と立体額装品を1点、それと小物を2点用意させていただきました。

ポスターと立体物には重厚で落ち着きのあるスペイン製ながら「ザルツブルグ」という名の額を使用。この額は太さが2種類あり、ポスターには細いものを、立体物には太い方を使用しました。

ポスターは建築家として有名なチャールズ・レニー・マッキントッシュ(Charles Rennie Mackintosh)の「The Wassail」と「The May Queen」の2枚で1枚は待合席の前、もう1枚は洗面台の前に飾りました。

立体物を何にしようかと考えていましたが、飲み水の入った壷の上の壁がちょっと寂しかったので場所はここで決定し、中身には壷の中にも入っている「きららの石」を額装しました。


額装品だけ見るとシンプルで面白みにかけるように感じるかもしれませんが、色合いも壷と合わせたものしてあるので、飾った時には統一感が出ていると思います。

残りの小物に関しては額の端材で作ったミニ額を細工してつくり、トイレの壁に飾り付けました。

今回は内装のバランスを気にしながら色数を出来るだけ抑えたもので統一しました。


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2008年9月27日 (土)

2mの蛇の抜け殻


縁起物です。

写真の中央にある細長いものですが、これは蛇の抜け殻です。

長さは約2mで尻尾の先までほぼ損壊もありません。この写真では縦に撮影していますが、正しくは横向きに飾ります。
額装をご依頼頂いたお客様の話によると、ご自分の会社の倉庫のところで偶然、脱皮中の蛇に遭遇し、そのまま拾ってホルマリンに浸けたとのことです。

和室に飾られるというでしたので、あまりうるさい額ではなく、長さが2100mmほどになるため強度を考えて少し太めの額を何種類かお薦めしました。

その中から奥様と一緒に選ばれたのがこの「ヴェネツィア」というイタリア製の額です。

表面のテクスチャは少しザラっとしたデザインで、蛇の鱗のようなイメージが若干あります。

この額は和洋問わずに飾れるため、わりと人気のある額で今までも様々なものに使用しました。

蛇の口を少し開かせて、立体的に額装をして欲しいとのご要望でしたので、額の裏側にドロ足という木の素材を追加して奥行きをつけてあります。

また蛇の抜け殻自体は、アーカイバルボードという無酸の軽量ボードに黒の布を巻き、その上にテグスで複数箇所糸止めしてあります。

蛇の眼のドーム状になっているところまで完全に残っている抜け殻ははじめて見ました。
財布の中に入れておくとお金が入ってくるそうですが、額に入れたら何が訪れるでしょうか。





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2008年9月25日 (木)

ビーズで描かれた舞妓

黒田清輝画伯の「舞妓」です。
ですが、今回額装のご依頼を頂いたこの作品は絵の具で描かれたものでも印刷物でもありません。

これは写真などの画像からビーズ織り用の目数表を製作するソフトを開発された目数屋さんがサンプルで作られた作品で、全てビーズで作られています。用意させていただいた額の内寸も1055×1307mmとかなり大きいサイズで、いままでビーズ織りの作品もかなり額装してきましたが、ここまで大きな物ははじめて見ました。

これだけ大きいものだと作品全体を離れて見ると、とてもビーズで作られているとは思えないほどです。

その分、額も目数屋さんと打ち合わせをさせていただいて幅の広いものを使用しました。


イタリア製の「ルーベンス」という幅80mmの額の内側に作品の掛かり分を増やすためにフィレーという飾り装飾を追加しています。

さらに作品そのものにかなり厚みがあるので、立体額装の手法で額の裏側にドロ足という木材パーツで奥行きを足して、部分部分に重さに対する補強を加えました。

アクリルがたわんでビーズと接触するのを避けたいというご要望がありましたので、通常使用している2mmのアクリルを3mmのものに変更し、スペーサーという素材を使用してアクリルと作品の間に10mmほどのスペースを作ってあります。


現在この作品を神奈川県にある「お花茶屋と夢科学工房」に展示してあるそうです。
詳しくは目数屋さんのwebをご覧になってください。




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2008年9月22日 (月)

ケッタウェイズのレアTシャツ

富士宮市にある花の湯で9月30日まで静岡県アートフレーマーズ協会主催による「おもしろ額装展」を開催しています。 絵画などよくあるものではなく、身近にあるものでもおもしろく額装することでちょっとしたインテリアになるという趣旨で行なっているものです。

実はこの花の湯での展示の直前にも静岡県立美術館で展示させていただいたのですが約2000人の来場者に恵まれ、なかなかの反響をいただきましたが、そんな中に地元テレビ局SBSの番組ディレクターの方がいらっしゃいました。そしてお話する中で、今回の花の湯での展示の時に「とく報!4時ら」という番組なかで中継をしていただける事となりました。

先日、無事放送されたのですが、事前に番組の中で使うということでTシャツの額装を頼まれました。 そのTシャツはブルーの地で胸のところに意味が分からない英語が書かれている非常にシンプルなもので、折角テレビで紹介してもらえるのに、どう額装したものか頭を悩ませました。 そこで何の気なしに胸に書かれた「KETTAWAY'S」という単語を調べてみたところ、どうやら70年代から80年代にSBSのディレクターやアナウンサーがやっていた「ケッタウェイズ」という伝説のバンドということが判明!さらに今回の中継を担当されている國本良博アナがそのメンバーだそうで、そういうことならと額装する方向が決まりました。

額はイタリア製で少しレトロな感じのホワイトのものを使用。 マット紙にはテクスチャの入ったブラックのものに細いシルバーとブラックのフィレ(飾り装飾)を内周りにつけてあります。 Tシャツは糸止めし、下地に楽譜を引いてあります。 既に解散したバンドということなのでそのメタファーとしてTシャツの上に引き抜かれたシールドケーブルを置いてみました。

中継で国本アナにお会いした時に色々お話を聞かせていただいたのですが、実はこのTシャツはライブ衣装として試作したものだそうですが、実際のライブの時には別の衣装を着用したためそのままお蔵入りになったもので、今回うちが額装したブルーと別の店が額装したイエローのものの2枚しか存在しない超レア物だそうです。

この額装品は花の湯での展示会が終了する9月30日まで同所で展示してありますので、興味のある方はご覧になることが出来ます。

是非お越し下さい。

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2008年1月31日 (木)

藤田嗣治とアノラ・スペンス(Annora Spence)

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額装をご注文頂いたお客さまから、部屋に飾ってみたというメールと写真をいただきました。

作品はお客さん自身がお持ちだったもので、藤田嗣治の作品(左)とアノラ・スペンス(Annora Spence)のリトグラフ(右)。

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写真を拝見すると、壁紙も家具もアンティーク風なものを使われているようで、なかなかおしゃれな印象。

使用した額は好みをお聞きしながら選んでいったもので、藤田嗣治には壁にあわせたアンティーク調のデザインのもの、アノラ・スペンスのリトグラフには作品の色彩にあわせたブルーのものを選択。

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マットはホワイトのピュアマットを使用し、藤田嗣治の作品にはダブルマットにして使用し、また裏側には調湿紙を入れ、保存性を高めています。 

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作品に合う、壁(部屋)に合う、その両方のさじ加減が額装には重要だと考えていますし、実際に額装をする際に頭を悩ませることでもあります。

今回のようにお客様に喜んでいただけるものを常に作れるようにしたいと改めて考えさせられました。

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2008年1月18日 (金)

スケッチの画鋲穴

先日、ある美術館からの仕事の打ち合わせに行ってきました。

実際の作品を前にしながらの打ち合わせだったのですが、世界的な作家さんの作品なので価値もそれ相応に一点数百万円以上するものが複数点あり、扱う方としても手のひらに汗をかく思いということで手袋持参でいきました。

実際の仕事としては、日を改めて額装し直すことになるため、今現在どういう風になっているかの確認に行ったわけですが、ものが作品を制作する前のデッサン画であるせいか、おそらく作者本人がつけた画鋲の跡で穴が開いていたり、書いた時の汚れなど、普段、美術館にきれいに飾ってる状態からはうかがい知ることができない部分を見ることができてなかなか興味深かったりします。

作品を預かる方としてはどうしてもその価値を気にしないわけにはいかないですから、おのずと扱いも慎重になるわけですけど、作家さん本人にしてみれば自分で書いた参考程度のスケッチですから結構雑に扱っていたりして、その双方の温度差を画鋲の穴から見ることができて結構面白く感じたりしました。

とはいえこちらは預かる方の人。

かなり神経を使う仕事になりそうです。

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2008年1月 8日 (火)

作品と額とインテリア

1日に年賀状をアップしましたが改めて。
明けましておめでとうございます。
昨年は年末ぐらいから気になることが多く重なったので、今年は年頭から良いことがあるように祈りつつ張り切っていきたいと思います。

さて、昨年末にお客さんが展示会に出展される関係で、そのお手伝いに上野に行ってきました。
作業自体は1時間ほどで終了したため、個人的趣味で国立科学博物館でやっているロボット博を見物した後、上野公園の中を散策していたところ国立西洋美術館でムンク展をやっているのを見つけて衝動的に入ってしまいました。

正直に言ってムンクの作品はそれほど好みというわけではないですし、この展示会の一つのテーマらしい「装飾画家」としての作品には自分としては今ひとつだったのですが、「叫び」「不安」「絶望」の同じ構成で描かれた三枚が並んで飾ってあったのを見て、初めてよく説明書きなどに書かれているムンクの心境が自分の中でしっくりきた様な気がしました。

そんな中、妙に気になって見直すため館内を戻ってしまった作品がありました。
「メタボリズム」とタイトルがついた絵で木を間にはさんでアダムとイヴ(エヴァ)が描かれた作品ですが、気になったのはその絵の入った額で、作品にあわせて木の下にはドクロ、上には街が彫られていました。
これは人を養分に街ができているという意味であるらしく、ムンクの生死感(多分皮肉も?)を表したものでしょう。

額装の仕事をしていると毎回必ずぶつかる壁があります。

作品のみをはっきり見せるためにすっきりシンプルにするか、作品のデザインと飾る場所に合わせたものにするか(派手にするというわけではありません)。

あるお客さんは、細い額でホワイトマットを望まれますし、またほかのお客さんはフィレ付きカラーマットにデコレーションの入った額を望まれます。

多分この問題には正解がありません。

ですから僕は、どちらの方向性で額装するにせよ、作品の意図にできるだけ沿うことを心がけているつもりです。

そこでこのムンクの「メタボリズム」は、作品の意図に沿うという意味ではムンク自身が意図通りに作った額に入れたもので、額まで作品の一部という、これ以上はないつくりでした。
ですが、かといってさすがにそのつくりで一般のご家庭に飾るのはなかなか難しい。
フレーマーという仕事の立ち位置はその辺にあるのだろうかと、自分の仕事のアイデンティティを確認していました。

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2008年1月 1日 (火)

年賀状2008

Nenga2008_2

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2007年11月15日 (木)

ベビードレスを額装

Pa060070

お子さんのものを額装して欲しいというご依頼は良く頂きます。
靴であったり、描いた絵であったり、作ったおもちゃだったり色々ですが、今回ベビードレスのご依頼をメールで頂きました。

四国にお住まいの方から。

Samplef 今まで県外からのご依頼は数々ありましたが、四国からというのは今まででもっとも遠く、当然ながら対面での打ち合わせが難しいため、今回は写真や完成予想の合成画像などを使いながらのメールでのやり取りを密に行なう事でプレゼンをさせていただきました。

結果的にお客様にはお手間を取らせることとなってしまいましたが、実際に完成品をお送りした際に実物をご覧になって、素敵というご感想を頂きましたことを大変ありがたく思いました。

Pa060068 Pa060069

使用したのはイタリア製の「クラリッサ」という女性の名前がついた額で、一見すると平面に見えますが、実際は緩やかなうち流れのデザインとなっていてエレガントな印象を受けます。
色は今回は中に入るベビードレスのホワイトと色調を整えたいと考えたため、「クラリッサ」のカラーバリエーションのなかから、縁の両側のシルバーのラインの間がアイボリーでさらに波状の装飾が施されたものを推薦させていただきました。

Pa060071 また、同じ理由からマットもホワイトのスエードに「クラリッサ」の縁にあるシルバーと良く似たデザインのフィレーを取り付けてあり、またベビードレス自体は立体額装用に作ったボックスの内側にベージュのスエードマットを張り込み、目立たないようシルクの糸で固定してあります。

裏側には調湿紙(SHCペーパー)を入れて湿度に対する対応をし、また吊ヒモも耐久性を考えて50kgの重さにも耐えるケブラー製の物を使用しています。

額の大きさは950mm×650mmと大きめなため、お客様が実際にご覧になったときに驚かれたと言うご連絡をいただきましたが、額装というものの性質上どうしてもそれなりの大きさになってしまうんです。
すいません。

お子さんの品というのは思い出が多く詰まっている分、どうしても仕舞いこんだままということになりがちですが、今回のような形でインテリア品に仕立て直して近くに置いておくというのはどうでしょうか。

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2007年11月 3日 (土)

割れない夫婦茶碗

Pa080015

うちをご利用いただいているインテリアコーディネーターさんの弟さんが結婚されるそうで、夫婦茶碗の代わりにプレゼントされる額装品です。

Pa080011 Pa080012

額装方法は以前にも紹介したものと同じで、スペイン製の「サバンナ」を使用していますが、ご本人の希望で、今回は窓穴を2段に開けてそのそれぞれにフィレを取り付けてあります。

Pa080014

和室にも飾れるようなデザインでまとめてあります。

割れる事のない茶碗で、お二人の末永い幸せを祈っているといったことでしょうか。

Pa080013

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2007年10月27日 (土)

NYのカーテンのフリンジ

Pa140041

お客様がニューヨークで購入された、カーテンのフリンジです。

一本が30cmぐらいのものを10本弱、専門店で買い求められたものだそうですが、金額を聞いてちょっとびっくりしました。

確かにネットで見てみると国内の取扱店でもそれなりのものは結構な金額になるようでフリンジといっても侮れないようです。

今回はお客様のご希望で3つの額装品を作ることになりました。

Pa140034 Pa140038 Pa140042

Pa140035

額はフリンジのイメージに合わせて西欧風なデザインのものを選びました。
額装は色数を抑えてあります。

マットは、ここのところ使用する機会が多いブラックのスエードで、額のデザインと合わせたフィレを取り付けてあります。
やはり、スエードのマットには、通常の紙質のものにはない上品な質感があるので、こういった類の額装をするときには第一の選択肢になります。

Pa140036 全体としてはブラックとゴールドで収めて、フリンジの色彩でインパクトを感じるようにしました。

また大きさも、一番大きい額の縦の長さが、他の小さめの2つの額を縦に並べた長さと同じにしてありますのでまとめて飾る場合でも収まり易いようにしてあります。

額装方法はこれも立体額装の手法で、額の裏側に奥行きを追加してあります。


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2007年10月23日 (火)

ドイツのアンティーク風エンジェル

Angel

ドイツ製のアンティーク風エンジェルです。

お客様が以前、お土産で買って来ていたものが戸棚の中にしまわれていたので、そのままではなんだからということで額装のご依頼を受けたものです。

1 題材がエンジェルという事もあったので、白いロココ調でとも思ったのですが打ち合わせしているうちに、お客様がこの額を気に入られたため、額装もアンティーク調にという事になりました。

この額は写真でご覧になれるように、ヨーロッパ建築では美と技巧の象徴とされ、多用されているアンカサスの葉と花を組み合わせたデザインで、この古色仕上げのものは古典的な印象を受けます。

マット紙もやはり全体のバランスを考えて、ブラウンのスエードマットを使用して、窓穴の周囲には同じくアンティーク調の金のデザインの入ったフィレを使用してあります。
Pa150061 Pa150063

エンジェル自体に幅が結構あるため額の裏にボックス構造をくっつけた立体額装になっていて人形の周りになる内側には色の映りを考慮してブラックのスエードマットをつけてあります。

ヨーロッパクラッシックな仕上がりを出来るだけ心がけました。

Pa150062

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2007年8月28日 (火)

コンテンポラリー(現代的)なシャビーシック(使い古された粋さ)

Pc080047

この写真はちょっと前のことになりますが、新しく開店する居酒屋さん用ということでインテリアコーディネーターさんから注文をいただいたものうちの一点。

待合室用で、造りは和モダンな粋な感じにということでコーディネータさんが選ばれたのは、イヴォ・ストヤノフという作家の「Orchid Form」という作品のポスターで90×90cm。

Pc080044

ポスターの良いところの一つはオリジナルやリトグラフ等とは違って、依頼主の許可さえいただければ、額装用に自由な加工が出来るところ。

という事で今回もポスターの中をくり貫いて、外側には裏側の補強をして、更にフィレをつけてマット紙として使用してあります。

Pc080043

使用した額はスペイン製の「サバンナ」。
資料にはコンテンポラリーなシャビーシックデザインとあり、シンプルなデザインながら9工程以上の手仕上げ作業を施された、なかなか凝った額です。

とは言えコンテンポラリーとはいっても同時にオリエンタルな感じもあるので、作品の雰囲気に合っているのではないかと思います。

表面はガラスではなくアクリル。それも飾る場所のライトの位置で反射による見え難さが考慮されたため低反射アクリルを使用してます。


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2007年8月17日 (金)

お盆は模様替え

P8160039最近の暑さで体が液化しているような気がする今日この頃です。

例年、お盆の時季は街からお客さんの影が少なくなるので、店の掃除や模様替えなどに当てていますが、今年は連休前にお預かりした作品が結構あって、そちらの額装に忙しく、なかなか時間が取れずにいましたが、それでも何とか仕事の合間を縫って実行。

今回の最大の目的は、接客用テーブルと椅子の設置です。

以前はカウンターで立ったまま、打ち合わせをしていましたが、やはり落ち着いて話をしたほうがより納得のいくものを提供できるのではと思い、テーブルと椅子を新調して準備していました。

椅子はドイツのトーネット製で、これが結構お尻が落ち着いて座り心地が良い。

テーブルはもう少し長さがほしいところなので、もう一つ追加しようか考えているところです。


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2007年7月21日 (土)

台風一過

Nec_0026先日の台風の日。
うちの地方では、お昼ぐらいに最接近するとの予報だったので、かなり用心していました。
…が、曇りはしていても風も雨もまったくなく静かなまま通過。
台風中継のニュース映像が嘘のよう。

で、台風一過の空。
なんかすごい事になっていて、空全体を覆った黒い雲の所々が貫けていて、そこから青空が見えているし、西の空はうっすらと夕焼け色でなんとも荘厳な雰囲気でした。

携帯で写真を撮ってみました。
台風の後の空はなんとも不思議な感じがしてその都度見上げたりしています。


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2007年7月16日 (月)

復活!

久しぶりの更新です。
ブログはお休みしていましたが、もちろん本業の方ではちゃんと仕事していました。

で、そんな来店されるお客さん達の中からちらほら「ブログを見てきました。」との声と、
その後、「最近、更新されてませんね。」とも…

…がんばります。

またよろしくお付き合いください。

Cow←スワロフスキーの牛。

THE LOVLOTS Missy Mo(ミッシー モー)というものらしい。
ご要望によりシンプルに額装。



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2007年1月 1日 (月)

年賀2007

Blognenga_1

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2006年11月18日 (土)

ピカソのニワトリ

Pb140014 以前にも書いた気もするが、額縁にも新作といわれるものが年に何度か発表される。
今年も9月に大阪で行われる額縁の展示会に行ってきていくつか仕入れてきた。
うち一点の額には、見た途端ビビッと来るものがあった。
それはあまり見た事がないデザインだという事もあったけど、それ以上にこの額に入れてみたら面白いんじゃないかという絵に心当たりがあった。

Pb140011 ご存知、パブロ・ピカソの描いた「ニワトリ」。
カラフルでシンプルな線で描かれたこのニワトリの絵はシンプルであるがゆえになかなか額装するのが難しく感じられてそのまま手付かずで在庫になっていた。
そこに今回のこの額。

Pb140010 <E-45020 ヨーヨー 白/赤>
イタリア製の額で、形状としてはシンプルな白地の平型。
そこに特徴的なのが、見ても分かるように額中央の線。
職人さんが手作業で入れたこの線は油彩を盛ったような質感で、下地が白だけにより一層引き立っている。
Pb180024 今回使用したのは「赤・黒・金」の色のラインが入ったタイプ。他にも「青・黒・金」のものもあるが、額装の意図として少し温かみを加えないと寒すぎる感じがするのではないかと思い「赤」の方にした。
結果としては「青」の方でも違和感はないかもしれない。

Pb180025
ピカソのこういうシンプルな線だけで描かれた作品群は、額装をしてみるとなんか違うなという事になりがちだった。
だけどこの額なら大丈夫かもと思い、お客さんからの注文ではないので好き勝手にやってみた。
Pb140009 とは言え、元の絵がカラフルな線で描かれているもののほとんどは紙の白。
額装で広い面積の色を使うのもどうかと思えた。
そこで、作品中に使われている色のうち4色を選び、それらと同じ色のフィレで細く色を使う作戦。
4色(赤・青・緑・黄)の配置は色々試してみながら一番落ち着くところを探した。

Pb170009 マット紙は初めはエンボス地のものを考えていたけど、実際にやってみるとちょっとつまらない。
そこで羽毛をイメージさせるスエードの白を贅沢にも使ってみた。
やっぱり季節的な事もあるし、見ていて暖かい感じがするほうがいいように思える(今は)。
クリスマスを前にして、時期的な雰囲気もでてこれはこれでいいかも。
ただ、完成した直後に欲しいというお客さんが2人も現れて、こいつと一緒にクリスマスを迎えられない予感。

嬉しいのか寂しいのか。

Pb140015


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2006年11月13日 (月)

クリムト

こんな景気の良いニュースが↓

クリムトの4作品、総額226億円で落札
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061109-00000052-jij-int

クリムトといえば先日も「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像Ⅰ」が、ニューヨークにあるノイエギャラリーの創始者の一人で化粧品会社エスティ・ローダーの会長ロナルド・S・ローダー氏によって、史上最高額156億円で落札されたというニュースがあったばかり。
ついでに、申し合わせたように映画「クリムト」も上映中で、話題性に富んでいる。
実はこの映画にはうちの店もちょっとした関係があって、キャンペーンの一端に参加させてもらっている。
この映画の入場券の半券をお持ち頂いたお客さんには特別に、

Adele_2 Kiss_1 Expectation_1 Fulfillment_1 Waterserpants_1 Farmgarden Unterach Poppy

↑これらのクリムトのリトグラフの額装品を10%引きで。
値段は左上から右に順に、

  • 『アデーレ・ブロッホバウアーの肖像Ⅰ』46000円→41400円
  • 『接吻』                    38000円→34200円
  • 『期待』                    40000円→36000円
  • 『成就』                     40000円→36000円
  • 『水蛇Ⅰ』                  41000円→36900円
  • 『農園の庭』                 26000円→23400円
  • 『アッター湖畔のウンハラッタ城』    26000円→23400円
  • 『けし野原』                 25000円→22500円

(全て税込価格)

一番目の『アデーレ・・・』が前述した最高落札額を記録した作品のリトグラフ。で、この作品や『接吻』等の描かれた時期は「黄金の時代」と呼ばれていて金箔・銀箔をふんだんに使って描かれている。
で、今回のこの額装品に使われているリトグラフには「黄金の時代」の作品(『アデーレ・・・』、『接吻』、『期待』、『成就』、『水蛇Ⅰ』)についてはこの手法に習い、従来の方法で刷った上から金箔・プラチナ箔を使ってオリジナルの持つ光沢感に近づける努力をしている。

Pb120035 Pb120037 Pb120040

いままでのものとは明らかに違う質感になっているから、掛け替えを考えている方にはお薦め。
うちでもキャンペーン用の、既に額装してあるものとは別に、『アデーレ・・・』と『接吻』のシートも用意したからどういう風に額装をしてやろうとあれこれ考え中。
近くブログで紹介・・・かも?

Pb120038 Pb120039

で、映画「クリムト」なんだけど、公式ホームページを見ても上映館が結構少なくて、今現在は首都圏周辺の数館のみとなっている。
今後順次全国で公開するみたいだけど、今回のこのキャンペーンは上映期間を含めて一ヶ月間となっているのでご注意を。
詳しくはお問い合わせ下さい。


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2006年11月 6日 (月)

記憶の空間による癒しの空間?

この間のセキスイハイムのモデルルームの額装インテリアに続いて、今度は新しくオープンしたリラクゼーションスポット『癒楽SHOP きらら』の店内額装インテリアを任せていただいた。
場所はこちらをクリック→Googleマップ

Pb020017 こちらのお店は酸素バーや、ホットストーンという温めた「きららの石(水晶に近い鉱石)」を衣服の上からお腹に乗せる事で、血行促進や自立神経の調整、疲労回復をはかることを体験できるほか、こだわりの調味料や自然食品を取り扱っているそうで、店内の色調も落ち着きのあるブラウンベース。
今回の額装はそんな店内のイメージにシンプルにあわせてみた。

額装品は全部で14点。
一つを除き全て同じ額(カラリア20 ブラック)で統一してある。

Pb020002 Pb020008 Pb020006 Pb020005 Pb020013

↑これらの写真はポスターを額装したもの。
内容はお店の雰囲気に合うものを選ばせていただいた。
額装方法としては特別な事はしていないが、入り口のカウンターの上に飾った横長の一枚だけは、天井の照明の映り込みがかなりあったため、アクリルを低反射のものに替えさせてもらった。

額装品の配置は周りに置いてあるものや、場所の意味と合わせてみた。
例えば、時計の下に飾った縦長の壷の絵は、時計と合わせて大きな壁掛け時計のイメージ。
また、白い壁に配置した縦長の海の絵2枚は、この場所がリラックス用の部屋のため、窓から海を覗いているようにしてある。

Pb020010 Pb020011

↑こっちはお店の方で用意していただいた「きららの石」(の、ちっちゃいの)を額装したもので、グリーンとホワイトの葉っぱ(造花)を交互に合わせてコントラストをつけた。
この部屋は先ほどの海の絵と同じ部屋になる。
実際の利用時は部屋全体が薄暗くなり、酸素供給用の機械の青紫色の光が入って額装品自体も意図せず幻想的なものになっていた。
結果オーライ。


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2006年10月29日 (日)

珍客来る

先日、変わったお客さんが訪れた。

接客するのが仕事だから、今までいろんなお客さんとお会いしてきたけど、こんなに変わったお客さんははじめて。
正直言ってどう対応したらいいものかかなり頭をひねった。
別に額を注文するでもなく、店の中をうろうろ。
挙句に商品を在庫してある店の奥にまで勝手に入って行く始末。
注意しようと声をかけても無視。


全く、鳥類には困ったもんだ。

Pa280091

時刻ももう夕方5時を過ぎていて、窓の外もだいぶ暗くなっていた。
早めにお帰りいただきたい。
本人(鳥)も帰る気は満々だけど、出口が分からない様子。
上手く誘導してやろうと思っても、こっちの気持ちなど分かってはくれず逃げ回っている。

どうしたもんだろうと思案することしばし。

!!!!!作戦を思いついた!!!!!

手順は

  1. スズメが今いる入り口の反対側の部屋半分の電気を消す。
  2. 暗い方から明るい方へスズメを誘導。
  3. 入り口のところに当てたライトを残して部屋全体の電気をOFF。
  4. スズメを入り口に誘導。
  5. またのお越しをお待ちしています!

この鳥目を利用したすばらしい作戦は途中まで見事に的中!!!

真っ暗な店の中で、わずかに入り口を照らす赤いランプの元、スズメを追いかけるための大きな紙を頭上に掲げながら、舞うように右に左に移動する人々。

傍から見たらかなりシュールな光景を演出しつつ入り口付近に誘導することに成功!
彼らの鳥目というのは相当なものらしく、たかだか電気を消しただけの暗さでもそちらの方には近づかない。

ただ、ここからなんどやっても何故か出て行こうとしない。
何度チャレンジした事か。
とうとうしびれを切らした我々作戦実行部隊は、いよいよ最終手段を実行する事を決断した。

・・・そう、捕獲である。

今までの攻防から、かのスズメは暗い中では極端に運動量が少なくなることがたびたび目撃されていた。
そんな鳥の習性を利用し接近、直接素手による捕獲を実行しようというのだ。

最後に残されていた入り口のランプが消された。

部屋全体を支配する薄暗闇のなか、スズメににじり寄る。

緊張が伝わったのか、道を行く人が奇妙なものを見る目で通過して行く。

スズメまではあと一メートル。

ゆっくりと手を伸ばす。

その時!

「バサバサ!」と羽音が静寂を引き裂いた。

同時に響き渡る鳴き声。

・・・失敗か・・・

誰もがそう思った次の瞬間、隊員の手が大きく、そして高々と頭上に掲げられた。

失敗ではなかった。

その指はしっかりとスズメの足をつまんでいた。

頭の中で響き渡る世界中の人々の歓声と賞賛の声。




という事で格闘する事一時間、スズメにお帰りいただきました。

さらばスズメ。今度来る時はお客さんを連れてこい。



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2006年10月 5日 (木)

ハイムさん宅の寝室in御殿場

P9048698_2御殿場のハイムさん宅モデルルーム。
二階に上がって寝室。
なかなか寝心地のよさそうなダブルベッドの枕元に額装品。
この飾り方はわりとベーシックだけど、それだけにハズレることなく決まる。
最近のホテルなどでは、このベッド側の壁の装飾の仕方を色々考えているところも多いそうなので、機会がある時はちょっと注意して見てもらうと面白いと思う。

P8140040 さて、この額装品の中身は初めて額装したもの。
といっても珍しいものではなくて、逆に何で今までやったことがなかったんだろうと思うもので、作ってみて意外に面白い物になった。
答えは壁紙。
インテリアコーディネーターさんが選ばれて、サンゲツから送られてきた。

P9048702 黒地にフローラル。
結構きつい印象があったけど、飾ってあるのを見ると逆にワンポイントのように見えて違和感がない感じがする。
興味を引かれてサンゲツのホームページを見てみると、見たことのないパターンの壁紙が結構あって、中にはブラックライトを当てると模様が青く光るなんてものも。
なんか額装の素材として使えそうな感じ。

P8140037 額はこの壁紙の模様と似たパターンの装飾が入っている、
18-6565 ブラックゴールド
台湾製で、色は他にシルバーがある。
ブラックゴールドという色だけど見た目の印象はブラウン。
ゴールドは側面に入っている。

Pa010029 この額の注文には内寸ではなくて外寸(1200mm×600mm)の指定があったので、そちらを優先して寸法を取ったことで、中は1130mm×530mmという特別寸法になっている。

マットはエンジ色のスエード。
写真でも写っている通り、枕カバーや寝具の色と合わせるコーディネーターさんの意図だと思う。
部屋にある家具の質感や色に合わせるというのはかなり有効で、統一感がでてくる。
P8140038 ただこのマットを使うときに一つ問題が起こった。
マットは全判(1016mm×812mm)というサイズから通常は切り出す訳だけど、今回は僅かに長手が足りない。
そこでコーディネーターさんに一つ提案をさせて頂き、マットを短冊に切って組み合わせ、窓の周りにはフィレ、裏側には無酸のアーカイバルボードで補強した。組み合わせの部分は両方を斜めカットにすることで目立たなくしてある。
Kumiawase
こう書くとなんか補強のためだけにフィレをつけたみたいに聞こえるけど、初めから作品(?)とマットのつながりが、ただ合わせただけだとのっぺりとした感じで気になっていたため、アクセントとしてフィレをつけることを考えていた。

シンプルに上品な感じに感じていただけたら、いいなと思う。


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2006年9月14日 (木)

ハイムさん宅の床の間in御殿場

P9048711_4 で、ハイムさん宅の玄関を入ってすぐの左側は和室になっていて、その部屋の床の間に黒いバラの額装品があった。
最近では床の間のない家が増えてきていて、特に掛軸をかける場所がなくなってきている。
確かにうちでも掛軸が以前ほどでなくなった。
そんなこともあってか、業界のほうでも洋室にも飾れるようなデザインで表装した掛軸を提案してきたり、時代に合わせるような動きが出てきている。
P9048712_1 今回のこの額装はそんな数少なくなった床の間に合わせたもの。
コンセプトとして30代の若い夫婦の家ということからインテリアコーディネーターさんが選んだもので仕上げた。
この額装、周りと関係なく単品で見ると、だいぶ洋風の雰囲気だけど、実際に床の間に飾ってあるのを見てみるとしっかりはまっている気がする。
こういうのを見ると和風と洋風の境界線が曖昧なものに感じてきて面白い。

P8120033 中に入っている作品は”B.J.Zhang”という中国人作家の「Love Speaks」というタイトルの作品のポスター。
モノトーンの中に黒く描かれた花(たぶんバラ)が力強く感じる。
この作家さん、中国国立美術館にも作品が所蔵されていて、1996年のアトランタオリンピックのための作品も製作しているかなりの実力派…らしい…不勉強でした…。
で、額だけど、普通に洋間に飾るのであれば作品のモノトーンに合わせて黒や白、または幅広のシルバーのものを使えば格好良く収まるなと考えていたら、インテリアコーディネーターの方が選ばれたのは違った。

P9070019 C-10078 イエロー

イタリア製で、ちょっと変わったデザインの額。
イエローベースに薄いグリーンの模様が入っていて、額の内側は茶褐色の色に変化している。
どうみても洋風の額。
でも実際に飾ってあるのを見ると、床の間の塗り壁と妙にマッチしていて、赤みのあるのライトの影響もあって質感まで似て見えた。

P9048714 マット紙は少しドンス地っぽい黒のマットを使用。
奥行きを出すために黒のスエードでベベルアクセントという素材を作ってマットの裏側に取り付けて作品を3.2mm奥にした。
たったこれだけの工夫でも額装品としてみた時に高級感が増す。

ご要望があったので、表面にアクリルやガラスは入れていない。

P9070020 個人的には和のものを額装する時にはシンプルさを重要視している。
ただ今回のようにうるさいとまではいえないまでも色や模様が入った額も、飾る場所と光の加減によっては充分生きてくるというのを再認識させられた。

P9048710s 今回額装をさせてもらったセキスイハイム沼津支店さんのブログです。

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次回 「額の中に壁」 乞うご期待。


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2006年9月 5日 (火)

ハイムさん宅のインテリアin御殿場

久々の更新。
気が付いたらもう9月。
このブログもはれて1歳を迎えました。
知人のうちにも1歳になる子供がいるけど、その成長の早い事といったら、この間までハイハイがやっとこさだと思っていたら、もう直立二足歩行で高速移動していた。
それに比べてこちらの1歳児の文章の成長のなさは…ちょっと悔しかったので、かの家の高速移動1歳児の予想進路上にクッションの山を置くという妨害活動をしてみた。
結果は…30秒ぐらいはもったかな。

P9048718 8月は額単品で買って行かれるお客さんがほとんどだった事もあって、新しく紹介できる額装品があんまりないなと思っていたところ、セキスイハイムのモデルルームに飾る額装品の依頼をインテリアコーディネーターの方から頂いた。
で、これは丁度いいと思い、許可を頂いて御殿場市神山にある「アーバンヒルズ神山」に行って撮影してきました。

P9048717 P9048711P9048698

P9048706_1玄関に飾ってあった額装品。
中身はKathy Kennedyという人の写真作品のポスター。
うちで扱いがあるポスターの中からインテリアコーディネーターの方が選んだもので、白黒の2階調の写真で草を表現したもの。
タイトルは上から「Wild GrassesⅠ」「Wild GrassesⅡ」。
そして額も選択していただいて、作品のイメージに合わせたものを使用。

P9050016 10-6055 ブラック
今回は370mm×320mmという特別寸法でこの40mm幅のものを使いたかったためカスタムメイドで作ったけど、同じデザインの規格縁も「マンハッタン」という名称で出ている。
この名前の通りちょっと都会的なシャープなイメージの額で、うちに来られるお客さんの中にはこの額しか使わない写真家さんもいて、かなり人気がある。
P9048707 P9048708

P9048709 マットは上が黒、下が紫のダブル。
どちらもポスターの表面の質感に合わせた色具合のものにした。
紫のマットの幅は細く見える位にという要望があったので、5mm弱にし、ただのダブルマットの状態だとのっぺりした感じなので、メリハリと奥行きを付けるために擦れたシルバーのウッドフィレを間に入れてある。

P9050017 この額装品はご注文を受ける際に額の外寸の指定を受けていたので、気をつけていたのだけど、実際にモデルルームに行って玄関を開けて、正面の壁に縦に並べて飾った時の壁の余白のあまり具合を見てちょっと納得。
個人的な感想だけど、すっきり納まっているような気がした。
これがインテリアコーディネーターの仕事なのかなと感心しきり。
勉強になります。

今回撮影させてもらったセキスイハイム東海沼津支店さんのブログ

『住まいづくりのノウハウや最新住宅事情をお届けします』
               http://numazu.blog816t.com/

色々最新情報が載っているそうです。

そして、次回予告   「ハイムさん宅床の間の黒いバラ」   おたのしみに?



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2006年7月27日 (木)

海外の絵画のサイズというお話し

P7250038_1 いよいよ夏休みシーズンに入ったようで、皆さんの中にも今年は(も)海外に行く予定の非常にうらやましい方たちがいると思う。
そんな人たちに、夏休み中も仕事な筆者からの、知っておくとちょっといいかもしれない豆知識。

毎年、長期休暇の後になると、海外で買ってきた絵画の額装の注文を良く受ける。
作品の種類も、水彩画・リトグラフ・銅版画等の紙に描かれたものから、刺繍・陶板画のような板状のものなど様々だけど、これらのような作品は基本的にはデッサン縁にマットなり、厚みを加えるなりして寸法を調節して額装するのでこれといって問題はない。

ところが作品が油絵となると、ちょっと問題になることがある。
それは規格サイズのズレ

油絵のサイズは”F3”とか”F10”・”F50”といったような「Fサイズ」の他に、”M3”・”P3”といったような、Fサイズと長い辺の寸法は同じで短い辺の長さの異なった「Mサイズ」・「Pサイズ」というものがある。
この表記の仕方は日本でも海外でも共通だから、例えばフランスの道端に売っている油絵を指差して、<フランス語>この絵はF10か?</フランス語>とか聞けばちゃんと通じる。

では何が問題なのかというと、同じサイズを示しているはずが、日本のものと海外のものとでは実寸法に微妙にズレがある。

Size 例えば日本でのF10のサイズは530mm×455mmだけど、海外の規格では550mm×460mmとなっていて、長手で2cm、短手で1.5cmのズレがある。
またこのズレもサイズによってまちまちで、F0(180mm×140mm)のように全く同じ寸法のものもあれば、3cm以上のズレがあるサイズもある。
当然、日本の額縁は日本の規格サイズに合わせて作ってあるから、これらの海外規格の絵は額装することが出来ないので特別寸法の額を組むか、絵についている木枠を日本寸法のものと取り替えることになる。

今までにも海外で油絵を買ってきて、お気に入りの額に入れようとしたけど入らないというご相談をいくつもお受けした事がある。
せっかくの旅の思い出なので、ご自宅に飾る事も考えて、油絵のサイズにはちょっとだけ注意していただければお得な買い物が出来るのではないかと思う。



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2006年7月18日 (火)

思い出に挟む栞

ここのところ1000mmを超えるような大型の額の注文をいくつも頂いて、広くはない店の中がすごい事になっている。
当然、額装する作品もそれ相応に大きいわけで、一つのことをやるのに作業台を占拠してしまい、同時進行がなかなか難しい。
作業台がもうひとつほしいと思う今日この頃。

P7110059 ふさがっていた入り口を通り抜けて、お客さんがみえた。
額装して欲しいとのことで取り出されたのが2枚の栞。
両方共、貝殻を使って蝶や花の形を作り、貼り付けている。
かわいらしくはあるが、栞としてはちょっと使えない。
どういうものなのかお客さんに尋ねると、亡くなった身内の方が最後に遺してくれた作品で、せっかくだからちゃんと飾りたいということだった。
P7110058 貝殻にそこそこ厚みがあるため、普通の額に細工をするか、厚みのある額を使うか迷ったが、300mm×150mmで額の内側の厚みが19mmという丁度いい大きさの規格額があったので使うことにした。
P7110061作品は四隅をナイロンの釣り糸に引っ掛けるようにして固定してある。
この方法なら接着剤やテープを使わずにしっかり留められるし、作品自体には何も手を入れないので、糸をはずせば元通りになる。
考えなければいけなかったのはマット。
写真を見ていただければ確認していただけるが、作品とアクリルがぶつからないようにしている。こういう額装の仕方の時はどうしても作品とマットとの間に結構大きなスペースが出来る事になる。
P7110057 こういう場合に通常の切断面が白いマットを使うと何となく安っぽい感じがして個人的には好きじゃない。
だから普段ならフィレーやベベルアクセントを使って縁取りを作るのだけど、今回は切り口に色の付いたカラーコアのマットを使ってみた。
ダブルマットで上は作品の色と合わせてエンジ色でブラックコア、下はクリーム色で茶色のコアになっている。
P7110056 今回はそんなに複雑な事をやらずにシンプルな印象で仕上げてみた。
これで合計3000円ぐらい。
おそらく作品のコストよりもだいぶかかっていると思うけど、わざわざうちに額装を頼みに来られるのだから、他の人からは感じる事が出来ない価値をそんなところに垣間見る事が出来る気がする。

P7110060 貝殻一つ一つが価値を持つ。
そういう品々と出会える楽しみがこの仕事にはある。



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2006年6月30日 (金)

「額ぶち」展覧会終了

去年の11月から静岡県の東・中・西部で行ってきた「額ぶち」展覧会も無事に終了。
今回の西部展には秋野不矩美術館という場所が良かったせいか、800人を超えるお客さんが来てくれた。
来ていただいた方達は、どうも有難うございました。
おかげさまで用意しておいたパンフレットとアンケート用紙は全てなくなってしまい、最後の方のお客さんにはお渡しすることが出来ずに申し訳ないことをしてしまいました。
次の機会にはちゃんと余裕を持って用意します。

P6260046 今回うちが出させてもらった額装品は8点。
その中でも着物の破裂と伊達襟と帯締めを額装したものが、わりと受けが良くて、お客さんから自分が持っている破裂で同じものが作れないかというお問い合わせをいくつか頂いた。
最近はこういった着物をインテリア品にして飾る人達が結構いらっしゃるらしく、実はこの展示会中にもこの作品とは関係ないが、インテリアコーディネーターの方からホテルのインテリアに使いたいということで、2点ばかりお預かりした。

P6260047 今回使った額は既製品のTフレーム(900mm×300mm)の黒で値段は7,500円。
この額は竹のデザインで、色は他に茶色がある。
また同じデザインで、カスタムフレームもあるので値段は上がるけど任意のサイズで組むことも出来る。
このシリーズは従来の規格サイズのほかに今回使ったような細長いサイズのものも何種類か出ている。
そのせいもあって、うちに書の額装を頼まれるお客さんに好まれている。

P6260048 今回のこの額装、下の緑の部分から伊達襟→着物地→着物地と
重ね襟のような感じにしてある。
刺繍などもそうだけど、布のものを額装する時、固定方法に悩まれる方が多いようだけど、方法はいろいろあって、今回はアーカイバル・ボードという無酸の紙ボードに糸で縫いとじしてある。
この方法なら例えば後で別のことに使いたくなったときでも糸をきれば元通りになるので中身の交換も考慮に入れるならお薦めの方法。

P6260050 マットは下は古代金のような色で上は布地のような模様の入った黒マットを使い、本来、マットの窓を開けた部分は45度の角度をつけて切る「ベベルカット」のため、マットの中地の白い色が切断面に出てしまうのだけど、今回の額装のイメージには合わないと思い、内側に向かって45度の角度をつける「逆ベベルカット」を使って白い色を出さないようにしている。

P6260049 今回は着物という事もあって全体的に和のテイストを中心に額装してみたが、この額自体はエスニックな雰囲気にも使うことが出来る。
過去にも東南アジアやインドのものを額装したことがあるが、全く違和感なく溶け込んだ。
意外と飾る場所にもこだわらない額なので、オリエンタルな雰囲気な物にはとりあえず試してみてもいいかもしれない。


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2006年6月22日 (木)

展示会中日

2bxdvc00101_i 展示会も三日目。
東部・中部の時に比べても、秋野不矩美術館という場所がいいのか、テレビや新聞に載ったこともあって盛況の様。
前回紹介したうちの額装の「SAMURAI BLUE」も時事ネタだからだろうけど静岡ローカルのニュース番組にババーンとでていたらしい。
これでより多くのお客さんが来てくれるといいなと思ったりして。
4n9dvc00090_i_1 実は昨日限定で、お客さん持込のL判写真を使った手作り額ぶち教室というワークショップを開催していたんだけど、これがかなり好評で、急遽話し合いの結果、土日にも開催する事が決定しました。
興味がある方は写真を片手にご来場ください。
4nadvc00092_i2bydvc00100_i 6ykdvc00050_i 6yldvc00099_i8i4dvc00089_i

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2006年6月20日 (火)

「SAMURAI BLUE」っぽい

W杯で盛り上がる日々をお暮らしでしょうか?
サッカーボケをしていたわけではないのですが、もう既に告知したような気になっていました。

Safa2_1 何と、今日(6月20日)から25日まで、静岡県浜松市にある秋野不矩美術館2F市民ギャラリーで、県内3回目となる静岡県の額縁屋さんによる「額ぶち展覧会」を行います、というか行っています。
前回、前々回に引き続き、絵などを入れるだけではない額縁の使い方や少し変わった額装品を展示しています。

と、言う事で、今回も展示会用の額装品を一つだけご紹介。

やっぱりW杯期間中ということもあるからユニフォームを額装したいとは思っていたのですが、結構大きいものになるので、何かミニチュアサイズでいいものがないかと探していたところ丁度イメージにピッタリのものを発見!

ケロロ軍曹であります。

で、早速額装することに。
そういうわけで軍曹にはユニフォームを脱いでいただくことにしました。
P6160054
ちょっと寒そう。
軍曹には夏なのに冬眠でもしていただいて、とりあえず「SAMURAI BULE 2006」っぽい額を選択。

P6160051 C-46011 ブルー

写真には赤いウッドフィレを後付で取り付けてあるので、額本体は外側の青い部分です。
ここまで真っ青な額はあまり種類がないし、仕事の中でも使った事がそんなに多くないので面白がって使ってみました。
結構ジャパンブルーです。
P6160049 額装のイメージとしては、日本代表のユニフォームそのまま。
マットは上が青、下が赤のダブルマットで、額とフィレのカラーパターンを繰り返した。
P6160052 そして、今回の日本代表のユニフォームの特徴の、両脇に入っている、日本刀の刃文をイメージしたという波模様を水色と銀色のマットを切ってブルーのマットにつけてみた。
P6160053 ユニフォームには膨らみをつけるために厚紙を丸めて入れてある。
そして例のごとく額の裏にボックスを作って内側に芝をイメージしたグリーンのスエードのマットを貼り付け、白いクレヨンでグランドのラインを引いた。
P6160050
一つ残念だったのが今回のW杯の公式球である「+チームガイスト」のミニチュアがどうしても見つからなかった事。
泣く泣く通常のデザインのフットバックのボールを入れてあるけど、いずれは見つけて取り替えようと思っています。

ミニチュアを使ったので、今回は四ツサイズ(424mm×348mm)の額に収める事が出来た。
記念品のようなものになったと思う。

このような作品をうちからは8点出させてもらっています。
各店合わせて70点ほどの作品を展示してありますので、是非見に来てください。



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2006年6月 6日 (火)

額の裏にあるもの

古い額縁を新しい額と取り替えたいという依頼がある。
「普通の仕事では?」と思われるかもしれないけど、この場合”古い”というのがどのぐらい古いのかというのがポイント。
もちろん、”額を直す”のではなくて”新しい額に入れ替える”訳だからポイントと言っても何か問題があるという意味じゃない。むしろ逆。
古い物ほど裏板を開ける時の楽しみがある。

テレビなどでヘソクリを額の裏に隠しているシーンを見たことがあると思う。
実際にそんな金銭的なお宝を見つけた事はないけど、額縁の裏側という所には、何か、物を隠して(しまって?)おきたくなる魅力があるのか、時折作品以外のちょっとしたものが一緒に入っている。

先日みえたお客さんが持ってきた古い額。
亡くなったご両親の写真が額装してあった。
早速、裏板をはずしてみると、中からもう一枚別の写真と黄色くなった新聞紙が出てきた。
写真は額装されている人の別の写真で、関係あるということで入れたのだと思う。

P5130021 で、ワクワクしたのが新聞紙。
新聞紙自体は作品の裏当てに使われていることが昔はわりとあったので、別に新聞紙が出てくるのが珍しいというわけではないし、よくある事といってもいい。
ただ、この新聞をなんとなく眺めていて、なぜかひどく読みにくいことに気がついた。
おかしいなと思って日付欄を見てみると、右から左に「昭和十四年五月二十五日」とあった。
P5130022 さっきも書いた通り、古い新聞紙が出てくる事はよくある。
でも、戦前のものが出てくるのは初めてだった。
興味津々で内容を読んでみると、
「満州鉄道の警備の仕事をやってみませんか」とか、
「満州拓殖公社社債の募集」とか、
「虫歯を放置して敗血症になる人が増えています」とか、
なかなか時代の匂いがして楽しい。
P5130027 P5130026_1
で、それらの横がスポーツ欄になっていて、プロ野球ではなく、職業野球で阪急と巨人の優勝争いが最終日までもつれて、今夜の試合の展望は?といったような記事が載っている。
しかもどうもこの職業野球のことを「大リーグ」といっていたらしい。
なかなか知らない事がいっぱいだ、などと感じてしまった。

P5130023 P5130025

ここまで古いものはなかなか出てくる事は少ないけど、額縁の中というのは用途の事を考えても一種のタイムカプセルなのかもしれない。

ひょっとするとあなたのお家にある額の中にも…


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2006年6月 2日 (金)

力感を生かす土っぽさ

6月に突入。
先月は、「悪い事は重なっておきる」を実体験して、正直言ってブログを書く所ではなかった。
未だに尾を引いているけど、今月は何かいいことあるといいなと願うばかり。

さて久々に額の紹介。

毎年この時期には、うちを懇意にしてくださっている山田浩二さんという作家さんの展示会がある。
もう10年位額装をさせてもらっているが、基本的にはシンプルなものがお好みなので、額は見本の中から話し合いながらご自分で決められるし、マットも少しエンボスしてある2mmのホワイトマットを作品と合わないことがない限り使っている。
ただ、数ある作品の中には何点か、シンプルな組み合わせでは額が負けるなぁと感じるものがある。そういうときには額装のアイディアを話し合いながら、少し手を加えたものを作らせて貰っている。
P5250030 今回の作品は、「風神」と書かれた書。
渋紙(たぶん?)に少し崩れた力強い書体で書かれていて、線の擦れや墨の飛沫の飛び具合などに「風神」らしく、風を感じる気がする。
文字の具合や紙の色など作品の持つ雰囲気がホワイトのマットにはどうしても合う気がしなくて山田さんにそう伝えると、ご本人もそう考えていらしたらしくこれはデザインマットでいこうという事になった。
そこで問題になるのが額縁。
デザインマットにするからには作品とトータルした額の内側の存在感が強くなる。
ただでさえ力強い印象の作品に負けないものということで、山田さんと規格縁やカスタムメイドのサンプルを引っ張り出しては合わせて、「こうじゃない」とか「もう少し暗く」とかやっていた。
で、思い浮かんだ一つの額。
P5250032 レグノ39 古代

金色の下地の上に濃い茶色の、樹皮のような土のような、そういったものがデザインされていて、幅40mmというわりにはものすごく重量感のある印象を受ける。
他にマホガニーと木地の、合計3タイプがあって、順に茶色が薄くなっていくけど癖が強いのは変わらず、かなり中に入る作品を選ぶタイプの額ではある。
P5300003 ただ今回に関して言えば、作品の力感は言わずもがなだけど、雰囲気の中にある素朴感というか、町の中にふいている風じゃなくて、懐かしい田舎にふいている風という印象を受けていたので、この額の土っぽさが合うのではないかと思った。
そこで山田さんにお見せすると、ご本人的にも感じるものがあったご様子で、古代とマホガニーのどちらにするか迷われたけど、結局、古代を使うことで意見の一致をみた。

P5250036 次はマッティング方法を決めるのだけど、これがまた問題で、既製のカラーマットやファブリックマットを思いつく限り組み合わせてやってみたけど全然合わない。
何というか、均一の色とかテクスチャーといったものと、とことん相性が合わないようで、こうなったらテクスチャーをマットに張り込むしかないという事になった。
で、何かないかと探したけどこれまた見つからない。
P5250035 結構途方にくれた時になって、山田さんが「作品の書き損じがあるけど、それが何とか使えないか」と気がついた。
面白いかもと思って後日持ってきていただくと、少しづつ紙の色が違う3枚がきた。
試してみるとこれが良く合う。
ただ、全体を覆うには一枚一枚が結構小さいので、継ぎを当てるような感じで3枚を組み合わせて、ついでに少しふわっとした感じを出すように和紙糊を全体ではなく部分的につけてマットに張り込んだ。

P5250034 出来上がったマットを作品と額にあわせてみると、さすがにピッタリ
はまってはいるのだけど、イメージが連続しているのでメリハリがなくなってしまったため、マットに、擦れ金で墨の飛んだような黒いまだら模様の入ったフィレーをつけて、更に少しだけ黒が見えるようにダブルマットにした。
出来上がりは写真の通りだけど、本物は小全紙の大きさ(660mm×510mm)と、ちょっと大きい事もあって結構迫力のある作品になった。

レグノ39はかなり個性的な額にも関わらず実は規格縁。
入れる物も飾る場所も結構選ぶ額だと思うけど、出来上がりはご覧の通り、かなり力強いものになるか、もしくは以前の例ではものすごく素朴なものになる。
値段は今回使った小全紙サイズ(660mm×510mm)で12600円。インチサイズ(254mm×203mm)で5250円。

Yamada2006 山田浩二展は6月2日から4日まで、静岡県沼津市大塚299の長興寺でおこなわれています。
書だけではなく、こんな優しい絵を描く作家さんですので、興味がある方は見に行ってはいかがでしょうか。
入場料は無料。
今回の作例「風神」の書は茶室に飾ってあるそうなので、是非本物を見てみてください。


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2006年5月 4日 (木)

アイディアの来る場所

世間はゴールデンウィークなるものらしいけど、そんな世の中の流れを一切無視して営業中の額縁屋です。
「連休中なのに」なのか「連休中だから」なのか注文が結構入って来ています。
大きいのもあります。
有難いことです。
当然それぞれの額装の仕方を考えなくてはいけません。
額を選んで、マットを選んで、合わせの相性を見て・・・って、あれ?さっきもこんな組み合わせを使ったような・・・違う人の分だからいいか・・・いやいや、プロとしてワンパターンは良くないだろう、別の額装法を考えるか・・・でも、さっきのが合っていたような・・・いやいや、プロとしt・・・でも、やっぱりさっk・・・・・・

・・・・・・・・うがぁー!

と、いう時にはあれ・・・バスタイム!
いや、本当に。

風呂場というのは、自分としてはアイディアが思いつく場所となっている。
仕事のことだけに限らずにどんな悩みも風呂で一発解決・・・することもある。
それも湯船に浸かっているときではなくて、体を洗っている時。
顔を洗っている時にイヒッとなることもあれば、シャンプーを手でコネコネしているときにイヒッとなることもある。
そうなったら最高で、言葉どおり身も心もすっきりした状態になれる。
思うに風呂場という場所は、古い自らの皮から脱皮する修行場としての側面もあるのではないか。
このまま体を洗い続ければ既存のアイディアのレベルを通り越し、究極的には悟りの域にまでたどり着けるのではないか。
そんなことを考えたりしたりしなかったりする。
挑戦する気はないけど。

ただ、発想するということに関しては万能にも思える風呂場にも一つ注意すべき点がある。
思いついたアイディアのあまりのすばらしさに気を良くして油断していると、流した石鹸の泡と一緒にアイディアも配水管に流れていってしまう事が、本当ににたまにだけど起こる事がある。
そうなったら最後、アイディアというのはどうやら髪の毛よりも細いものらしく排水口のごみ取りの網に引っかかっている事はまずない。
だから、思いついたアイディアは速やかに何らかの方法でメモを取ることをお薦めする。

以上、最後の注意点をもって今回のココログ・トラックバック野郎のお題に対する回答としたいと思います。



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2006年4月25日 (火)

静かな青

166385_3_2 このところ七宝を持ち込まれるお客さんが増えている。
文化教室で習っている方達のようで、中には同じお手本を基に作ったと思われる同じモチーフの作品があったりして、「額装まで同じじゃまずいよな」などと思いながら仕事をさせてもらっている。

七宝の作品は基本的に、そこそこ厚みがある。
だから、もし七宝を手軽に額装したいと思ったら油縁を使うのが簡単。
裏板を開けて、オイルライナーの中に作品をはめ込んで固定して、裏板を戻して出来上がり。
額さえあればご家庭でも5分程で完成します。

ただこの方法は一つ注意しなければいけない点があって、それは作品の寸法をあらかじめ額の規格サイズに合わせて作っておかなければならない。
でも、たぶんそんなこと気にして作っている人はほとんどいない。
実際、うちでお預かりしている作品のことごとくが規格外のサイズ。
だから油縁は使えないのでデッサン縁にいろいろ細工して使うことになる。
手間はかかるけどこの方法のほうが額装の選択肢は広がる。

166385_2 そんな感じで今回額装したものの中から一つ紹介。

16-6385 ブルー

イタリア製のカスタムメイドフレームでこの春にでた新作の一つ。
色は他に同じデザインで型番が違うオレンジ・ホワイト・グリーン・ブラウンがある。
発表会の時にサンプルを貰ってから何かに使ってやろうと狙っていて、今回お預かりした作品の中にイメージがピッタリくるものを発見。早速使ってみた。
166385_1 デザイン的にはシンプルな平型タイプで、ムラのあるブルーの所々にクリーム色の擦れたラインが出ていて、ただ青い額とはちょっと違う柔らかさがある。
メーカーからの参考写真では、この額にグスタフ・クリムトの「希望」というタイトルの妊婦の絵が額装してあったけど、今回うちが額装したものにしてもクリムトにしても、このブルーの額には落ち着いた感じの作品が良く合うんじゃないかと思う。
この七宝の作品は、作られた方が少しバランスを気にしているように見受けられた。
見ると、花が・・・たぶんヒメシャラだと思うけどちょっと上の方に寄っているので額装の際にも落ち着きが出るように注意してみた。
166385_4 マットはスエードのブルーと紺で段差をつけた形で途中から色を切り替えてある。
このままだと作品がブルーの中に飲み込まれる感じがあったので銀色のフィレを作品の周りに巻いたが、今度は落ち着きすぎた感じがしたのでフィレの一方の辺だけをマットの上に出してみた。
作品を設置する窓も作品のバランスに合わせて上にずらしてある。

この額を使ってみて感じたのはとにかく仕上がりが静かな感じがする。
先に書いたクリムトを額装してあるものにしても、作品の中に結構ある金色に反して額装品としてのイメージはとにかく静か。
166385_5
太さは38mmと、普通と言えるサイズなので、あまり大きい額にすると印象が弱くなる恐れがある。
今回は太子サイズ(379mm×288mm)に組んで作品に対して少し大きめにしてマット幅を取ってみた。

ブルーが強い分、落着きと同時に少し冷たい感じを受けるかもしれない。
人が団欒するリビングなどの部屋には合わないかもしれないけど、見た人に落着きを感じさせる側面も見逃せない。

少し大人な感じがするブルーを自室に飾ってみてはどうでしょうか。



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2006年4月18日 (火)

昔の額装、今の額装

額装は作品を保存するための方法と何回か書いてきたけど、実は保存額装という考え方が出てきたのは、日本ではここ十年ぐらいの事だったりする。

それまでは極端な話、額はただ飾るための物という感じで、マットさえ入っていなかったり、そうでなければ額の中敷に入っていた厚紙に窓を抜いてマットの代わりに使ってあったりした。
当然、作品を保存するためのノウハウもなかったので、作品が劣化する要素がそのままに額装されていた。

五十年位前にアメリカの美術館等で、ちゃんと保管しているはずの美術品の劣化が問題になり、様々な調査が行われて、それ以降作品を劣化させる様々な要因・・・温度・湿度・使用されている素材の酸性度・ライトの光・壁から発生する様々なガス等などが明らかにされてきた。
そしてその結果を元に文化財保存という考え方と手法が作り出されて実践されてきている。

さっきも書いた通り、日本でもここ十年で作品を保存する事を考慮に入れた素材が数多く出てきた。
P4180007 写真は簡単に紙の酸性度を調べる事が出来る中性紙チェックペンで、二十年ぐらい前の額縁に一緒に入っていたマット紙と、最近のマット紙を調べてみたところ。
このチェックペンは紙が中性からアルカリ性なら紫色のまま変化はなく、酸性ならインクが黄色に変色する。
この通り下に敷いてある最近のマットは紫のまま変化はしなかったけど、上に重ねた古いマットはペンで書いた端から黄色く変色して酸性を示している。
これは別にマットが古くなったからというわけではなくて、この年代の素材は製作工程の問題から酸性である事が多い。
当然というか、この酸性のマット紙で額装された作品は時間とともに酸化して、黄変したりボロボロになったりする。
それに今・昔を問わず作品制作には化学的な画材を使われることが多いので作品自体が強い酸性を持っている事が珍しくない。そういう点からも現在のマット紙は作品の保護の為には欠かせないと言える。

それ以外にも、特に日本では湿度が問題になる。
湿気はカビの原因になるし、ほかにも作品のたるみや油絵のひびの原因になる。
湿度の大きな変化は作品に大きなダメージを与える。
P4180013 そこで最近は調湿紙(SHCペーパー)と言う素材を作品の裏にいれるように額装の際にはお薦めしている。
この紙は従来の乾燥剤などとは違って、湿度が高い時には湿気を吸い、低い時には吐き出して額縁内の湿度を一定に保つ働きをしてくれるし、劣化原因になる化学ガスを吸着して影響を少なくしてくれる。
それになんといっても余計な手間がかからないのが良い。

そういう新しい素材を使える事もあって、昔の・・・それもホンの十年前の額装と今の額装ではその意味も手法も大きく異なっている。
今では多くの額縁メーカーや画材メーカーも作品の保存を考えた素材・画材を開発している。
それでも作品を完璧に保存する方法は今のところ存在しない。
空気に触れれば必ず劣化するし、照明に当てても同じ事。
だから大切な作品には、できるだけ劣化を防ぐ方法を取る事をお勧めしたいと思う。


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2006年4月11日 (火)

素朴さを修飾する

P4080017 横手由男さんの絵のコピーがあったので額装してみた。

通称 雨さんと呼ばれるこの画家さんはコアなファンが多いのでご存知の人も多いと思うけど、全国を放浪しながら貧しさのなかで誰かに教わる事もなく板絵等の独自の技法を編み出し、旅先で出合った石仏や人物や風景を素朴なタッチで描いた方。
周りにあるものを全て画材に使って、土やコケや花で色をつけたり足元に落ちているものを筆の代わりにしたり、とにかく独創的な感性でシンプルに描き上げられた作品には優しさのような寂しさのような繊細な感じがある。
横手さんの人生を知ると、あるがままにを地でいっている人のようで、そんな人の絵を額縁に入れるというのはちょっと考えと違ってしまうかなとも思うけど、そこは額縁屋のやることとして大目に見てください。

P4080014 作品が白に黒い細いラインで描かれているため額は黒ベースのそんなに太くないものを使おうと思い選択。

アジア30 ブラックグリーン

素材はMDFで表面の模様は3月27日に紹介したメトロ80の色違いのようになっている。ただこのアジア30は種類が今のところ全16種類と豊富で、ただの色違いや模様がまったく違うものまである。
P4110025 今回その中でもこのブラックグリーンを選んだのは作品の雰囲気と横手画伯をイメージして自然の野原のような感じを生かそうと考えたから。

・・・あと、黒が好きだから・・・。


P4080015 正直言ってこの額はどんなものにでも合う。
幅は30mmで見た目の印象も太くなく細くなくとかなり使いやすい。
値段もインチサイズ(254mm×203mm)で2100円とかなりお手ごろで、とりあえず入れておくだけでもお薦めできる。
ただ、面白いものでこういういわゆる普通の額でもレグノ50の時に書いたような衝撃的にはまる作品との出会いというのがある。そのときの色は、今回のこのブラックグリーンではなくて、クラシコゴールドという黒と金色のタイプだったけど、お客さんが東南アジアのお土産で買ってきた大きな刺繍とあまりにはまりすぎて額とマットまで含めて一つの作品のように見えた。
許可を取ってないので写真が載せられないのが残念。
P4080018 そんなことがあるからひょっとしたら今お手持ちの作品がこのブラックグリーンの運命の相手かもしれない。

さて横手画伯の作品の額装。
最大の問題がマット。
作品のイメージから普通に白いマットにしようかとも思ったけど、逆に作品の白を引き立たせるため勝手に少し色を入れることにした。
横手先生ごめんなさい。

P4080016 作品の白を引き立たせるための黒と、土と植物を意識した茶色・緑色のトリプルマットでテクスチャーがよく似たものを選択。
うるさくならない程度に見え幅を調節して真ん中の茶色のマットは少しかたむけた。これで視線が作品に行き易くなったと思う。

通常なら、作者ないし持ち主の意図に沿って額装するのだけど、今回はあくまで私室に飾るインテリアという想定にしてそこに重点を置いて額装してみた。

絵に合わせて選択できるアジア30。あなたの作品に合う色があるはずです。


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2006年4月 8日 (土)

猫のいた家の中

今回は額から離れてココログのトラックバック野郎のお題。
「あなたに出会えてよかった!」

P3110659_s ブログ用の写真を整理していて、ハードディスクの中から昔の写真を見つけた。
当時発売したばかりの新しいデジカメを買って、フィルムを気にしなくていいのに嬉しくて大量に撮りまくった写真。
何枚位あるのかわからないが改めて見直してみると一番多い被写体は飼い猫だった。

Rpa072578 確かに思い出してみるとこのころは始終カメラを手にうちの猫を狙っていた覚えがある。
撮影の練習がてら寝ている所に忍び寄ってマクロ撮影。
当時流行っていたデカハナ撮影にチャレンジしようとしたけどフィッシュアイを持っていなかったので広角の近接撮影で何とかそれっぽいものを撮影しようと悪戦苦闘。
さすがにパシャパシャうるさかったのか、気づいて寝ぼけ眼のところをレンズを少し引き気味にしてまたパシャリ。
ほとんど嫌がらせのような状態になっていた。
P3100544_s
それでも本猫にモデルとしての自覚があった訳ではないだろうけど、起きている時はポーズをとったり、こっちに向かって鳴いてみたり、とことこ近づいてきてレンズに鼻水をつけてくれたり、あたり前の対応だけど何故かそんな反応が嬉しくて、また追い掛け回すという事を繰り返していた。
気が付くとうちのパソコンのハードディスクは猫の写真で一杯になっていた。

Pa192598_1 猫を一番可愛がっていたのは祖母だった。
もともと祖母は猫を飼うのを反対していた。
嫌いな訳ではなくて死ぬのを見るのが嫌だということだったが、それでも飼い始めるとあれやこれや世話を焼き、すっかり猫もおばあちゃん子になっていた。

祖母が体調を崩して入院した時も、見舞いに行く度に「猫はどうしている」とか「猫に会いたい」と言うので、さすがに猫を病院に連れて行く訳には行かないから、ハードディスクの中から選りすぐりの写真をA4で印刷して病院のベッドの横の壁を猫一色にした。

P1022705 もうじき猫が死んでから1年になる。
夏祭りの花火大会の日に生後二ヶ月の乳離れしたばかりの時にやって来て、新しい環境と花火の音におびえて机の下に隠れていた。
そしてそれからちょうど10年後の花火大会の前日ソファーの上で死んだ。

考えてみるとこの猫は、うちの中がいろいろあってゴタゴタしていた時期に来て、一段落ついたときに去っていった。
一番つらい時期を慰めてくれた存在だった。

猫は勝手に振舞っていただけだろうけど、心底からこの猫に出会えてよかったと思える。

P1022715



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2006年4月 3日 (月)

作品と額縁の関係

P4010012_2 日本国内だけでもどのぐらいの種類の額縁があるのだろうか。
うちで取り扱いしているものだけでも半端じゃない数になるし、それ以外にも探せばまだまだある。
おそらく数千種類。
ひょっとすると数万種類の額縁が自分に合う作品を待っているだろうし、それ以上の数の作品たちが自分に合う額を探している。

フレーマーという仕事は作品と額とをつなぐ、仲人のようなものなのかもしれないが、だけど、なかにはその仲人の目の前で勝手に運命の出会いをはたしているものもある。

そんなことがあった額。

P4010010  レグノ50 古代

イタリア製のレディメイドフレーム。
表面の模様は職人さんたちが一枚一枚手作業で木地を貼っていったもので結構手間がかかっている。
色は他に、木地・マホガニー・アイボリーの3種類があり、この古代だけが色の名前かどうか怪しい。
ご覧のように重厚感のある額でその分存在感もかなりあるけど前に出すぎるということはなく、静かにフォーマルに作品の周りを引き締めてくれる。
インテリア品という事を考えると周りに置いてある他のものとの相性が重要だけど、どうも絵ではなく本物の花との相性もいいようで、この額とスエードのマットを使ってウェルカムボードを作った時のあまりのはまり具合と、考えていた以上の上品さに驚いた。
P4010014
幅は50mmとすこし広いくらい。
しかし実際に見るとそれ以上に幅広く感じるのはたぶん表面の模様の影響。
中に入れる作品は水彩画で淡い色調のものではちょっときついかなという気がするけど、色がしっかり出ているものであれば大丈夫。ダークトーンの色調のものや色数が多くない風景画などにはものすごく合う可能性がある。
この額は油縁もレディメイドで用意されているので、お手持ちの作品に試してみる価値は充分にある。

値段は製作に手間がかかることもあってインチサイズ(254mm×203mm)で7350円。
同じデザインで油縁のレグノ51はサムホールで10290円。

P4010009 この額には以前からかなり興味があって使ってみたいとは思っていたが、何故だかなかなか機会を持てないでいた。そして初めて実品を目にしてあれやこれや額装方法などを考えていたその日、たまたま来られたお客さんからお土産で一枚の絵を頂いた。

それが山口県立美術館所蔵の香月泰男作の「朝陽」の絵葉書だった。

香月泰男はシベリア抑留時代の地獄のような経験をもとに衝撃的な「シベリアシリーズ」を描いて第1回日本芸術大賞を受賞した作家。
この作品は香月泰男がシベリアシリーズの中でも抑留されていたときに見た朝陽を描いたもので、うちの母のお気に入りの絵だという事をお客さんが知っていて持ってきてくれたものだった。
そしてレグノ50と並べてテーブルの上に置いた時のあまりの調和。
額を選ぶ時に考えなければいけない、飾る場所の雰囲気や周りにあるもの色などといった要素を全て吹っ飛ばしたはまり具合にすぐさま額装することにした。
P4010011 額装方法はここまで作品と額の調和が取れているのでシンプルにシングルマット。
作品のイメージからマットの色は黒以外ないだろうと、数種類の、色合いやテクスチャが少しずつ違う黒マットを合わせてみたけどどこか合わない。
全面フラットな黒色が乗っているものだとどうしてもマットが強くなりすぎてしまう。とはいえグレーっぽくすると作品の雰囲気自体を壊してしまうので、いろいろ試行錯誤した結果、作品の周りに少し入っている金色っぽい色とレグノ50の下地になっている木地の色との双方に似たカレハ色のマットに墨で色むらを付けつつ塗ってみた。

この額装品はその後自分で同じ絵葉書を買ってきて何度も作ったが、その都度売れてしまい、今回改めて作り直した。

額縁は作品を引き立てる為の脇役だというのが一般的な認識だと思う。
実際に自分自身でもこの仕事で額に興味を持って良く見ていなければ考えもしなかったと思うけど、額は額で頭を悩ませてデザインをする人がいて一つ一つ手作業で基本の型を作る職人さんがいる。
額を一つの作品としてみる事も出来るんじゃないかと、この香月泰男の「朝陽」の絵葉書とレグノ50の出会いは感じさせてくれた。

主従するのか、補うのか、対等か、お手持ちの作品に出会う為に待っている額縁が世界のどこかに、たぶんあります。



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2006年4月 1日 (土)

記憶の中のぬくもり

C34104_4_2 額縁にも年に2回、春と秋に新商品発表会がある。
今年も3月8・9日に東京のサンシャインで画材を扱うメーカーが集まる「JAWA-SHOW」が行われた。
ファッション等とは違って、額縁には特別に春物とか秋物とかがあるわけではないけど、メーカーによっては色合いにそういった季節感があるものを選んでいると感じるところもある。

今回は新商品の中から春っぽい色調のものを紹介。
C34104_2
C-34104


イタリア製の額で、種類はカスタムメイドフレーム。
お客さんのご希望通りのサイズで作るタイプになる。
白地の上に赤がかすれたように乗っていて合わせた印象としてはピンクのような感じになっている。
実はこの赤というのは、以外かもしれないが額縁に使う色としては結構珍しい。
もちろんないわけではないけど、種類が豊富なものでもない。
おそらく赤というのはかなりきつい色なので、中に入る作品と合わせ難いということなのだと思う。
その点この額は白と赤を合わせる事で見た目の印象を柔らかくしていて、きつさがあるどころか逆に何か馴染み深い感じを受ける。

C34104_1 今回の作例は残念ながらうちで額装したものじゃない。
これは某メーカーから出ているアートプールシリーズという、ポスターをいろいろな額装テクニックを使って普通とはちょっと違うインテリアに仕上げたおもしろ額装品で、今回の「JAWA-SHOW」で買い付けてきたもの。
この作品だけではなくいろいろ出ているのでまたそのうち紹介しようと思う。

そういうことで中に入っているのはポスター。
なかなか暖かみのある優しい感じの絵でこの額のイメージと良く似ている。
タイトルは「Sunny Day」。手元の資料によると、作者はロビン・ローリングズ(Robbin Rawlings)というアメリカのデザイナーで世界的な評価が高く様々な賞を受けているとのこと。
知らなかったので早速Googleに聞いてみると、まったく出てこない。
そこでアメリカのYahoo!で検索したところ、ご本人のデザイン事務所のホームページを発見。
あまり数が載っていないけど、どの作品も、単色で見ると重たい色を組み合わせて柔らかく表現するという、なかなか独特の色彩感覚をしていると感じる。

C34104_3さてこの額装、作品がポスターであるということを最大限に利用している。
なんと作品をくり貫いて外周部分をマットとして使っている。
そして下に重なる作品の太陽の部分にピンク色のマットをつけてアクセントを作り、上のマットとして使われている部分との間にフォームボードという厚みをつける素材をはさんで段差を作って立体感を出している。
作品をコピーしてマットに使うというのはやった事があるけど、人の作品にカッターの刃を入れるというのはさすがに出来ない。ただポスターだったら結構なことまで出来るなとちょっと悪巧みが思いついたりした。
ただ、額装方法はお任せという依頼をお受けした時いつも感じているのがこの額装という仕事はどこまで手を加えていいのかという見極めが結構難しい。

C34104_5この額は見え幅が35mmで、太さとしては普通だけど、前述のように印象の柔らかい額なので、サイズが結構大きいものにはあまり向いていない思う。

飾る場所は選ばないタイプ。
玄関でもリビングでも自室でも寝室でもおそらくどんな部屋でも合う。あえて言えばリビングのワンポイントというのがおしゃれかもしれない。

同じデザインのもので色違いがあと3種類。
ブルー・イエロー・グリーンがある。

値段はインチサイズ(254mm×203mm)で、9870円也。
ちなみに作例に使った額装品は小売価格14000円です。

昔の記憶に触れているような、ちょっと懐かしいぬくもりを感じさせてくれる額です。



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2006年3月27日 (月)

シンプルな豪華

以前にも少し書いたこともあるけど、日本国内にある額縁は大きく分けて”デッサン縁”と”油縁”の2種類になる。
基本的には水彩画などの厚みがない作品にはデッサン縁。
木枠に張ったキャンバスに絵の具を盛るという手法上、どうしても厚みが出る油彩画には油縁をお薦めすることにはなる。

ただ、作品の内容によっては逆に入れたほうが良い場合もあるし、それで作品の魅力がまた違った形で現れる事もあったりして額装は侮れないと思う今日この頃。

今回はちょっと変わった油縁

P3250024


メトロ80SC オロパープル
写真を見てもらえば分かると思いますが、シンプルで幅広。
一般的な油縁には額の内側にもう一回り、ガラスやアクリルと作品面がくっつかないようにする”オイルライナー”という額の簡易版みたいなパーツが入っている事が多いけど、この額には入っていない。
その代わりに写真にある額の内側にある銀色の縁取りがそうなんだけど、”入れ子面金”という素材を使って作品がアクリルにくっつかないようになっている。

PB270083

色はオロパープルという擦れた紫色で、実際の見た目はこの上の写真が一番近い。

作例の大きさはサムホールサイズ(227mm×158mm)。これは油絵の規格サイズで通常は”SM”とか”FSM”とか表記されている。
中に入っているのは油絵・・・ではなくこれまた額。3月21日のエントリーで紹介したC-44088の額にトンボ球をギュウギュウに押し込んであるものを額装してある。

P3250025

ご覧の通り、何の細工も無しにスッポリ収まるくらい奥行きがある。

P3250026

メトロ80SCは幅が80mmと広めだけど、それほどうるさい額ではない。
見た目の印象と反して、それほど中に入るものを好き嫌いする額ではないので、どんなタイプの絵画を入れても大丈夫。個人的には抽象画を入れるのが面白いと思う。

この額は他に幅が60mmのものもあるし、実はデッサン縁もでていたりする。
色はこのオロパープルのほかにホワイト・ブラック・ターニッシュゴールド・ターニッシュシルバー・オログリーン・オロレッドの7色。

値段はサムホールで7270円。F15までのサイズがある。

和とも洋ともとれるシンプルで静かなゴージャス感があり、部屋のインテリアの主役に、というよりも小さいサイズのものをひっそりと飾るのがちょっとおしゃれかなと個人的には思います。



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余談
久しぶりに本を読んだ。
読後、正直感動したし、いろいろ考えさせられた。
”オシムの言葉”という本。
サッカーを知らない人は「オシムって誰?」ということになるけど、世界的にはものすごい有名人。
サッカーのJリーグが1993年に始まって以来、過去にも”何でこんなすごい人が、わざわざサッカーの世界地図のなかでは辺境に当たる日本にいるの?”ということが結構あった。
今の日本代表監督のジーコもそうだし、ドゥンガ、レオナルド、マッサーロ、ベンゲル、リトバルスキー、ストイコビッチなどなど。ほかにも多くの世界的なスタープレイヤーや監督が何故か日本のJリーグに参加していた。
そして今現在の最大の謎がこの人「イビチャ・オシム」。
J1部リーグのジェフ・ユナイッテド千葉の現監督。
何が謎かというと、会見のときに記者達をユーモアの煙に巻く言動もさることながら、実はこの人、旧ユーゴスラビア最後の代表監督で、それ以外にもヨーロッパサッカー界で数々の実績を持っている一目置かれている存在。
いわば名将中の名将。
世界中のビッククラブといわれる有力チームがこの監督にアプローチをしていたというのだから、何でこんなすごい人がJリーグにいるのと当然思っていた。
だからこの本の存在を聞いて読んでみようと思った。

内容はオシム監督の半生。
サッカー選手としての生い立ちから監督への転身、代表監督就任。そんな最中勃発したユーゴスラビア内紛、奥さんとお子さんをサラエボに残した状況で始まってしまったサラエボ包囲戦。内部との連絡がまったくつかない状況で何とかしようとオシム監督はヨーロッパに強力なコネクションを持つオーナーがいるクラブからのオファーを受ける。
絶望的な状況の中、何を考え行動していたか。
読み終わったあと、ただ理知的なユニークに聞こえていた会見中のオシムの言葉が今までと違った重さを持って聞こえてきました。
サッカーを知らない方でも一読する事をお薦めできる本です。

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2006年3月25日 (土)

洋風なナチュラル

気象庁の開花宣言を受けて通勤途中にある桜もだいぶ花をつけてきていた。
ここ何年かは仕事のこともあってお花見には行けないでいるけど、以前は年の恒例で楽しみにしていた。
お花見といえば”花を愛でる派”と”団子を食べる派”の論争の場だけど、何といっても自分は”樹に登る派”。
舞散る花びらの下で、皆とわいわいやっていると、なんか樹に登りたくなってきて”お前は幾つだ”とか”先祖返りしてるな”とか言われながら枝に座っていたりしていた。
その後からなんか記憶がなくなったりして。
そんな馬鹿な思い出を思い浮かべていたら、ふと連想したフレーム。

今回は気に入っていただける方は繰り返しご利用いただいてるけど、お好みじゃない方は避けられるというこのフレーム。

レグノ30 グリーン
P3230008

ご覧の通り結構印象が強い。
レグノ30はカラーバリエーションが4種類。
写真にあるグリーンのほかに木地・パープル・ブラウンがある。
虫食いのテクスチャーは全色共通。
で、桜からなぜか連想したこのグリーン、そのなかでも一番樹皮っぽい。
ただ、記憶の中の桜と繋がった印象と違って、写真に撮りながら改めて見てみると何となく紫陽花を思い浮かべたりしている。

P3230009

作例はインチサイズのレグノ30にポスターのカタログから切り抜いたボタニカルアートを額装したもの。
絵の印象とフレームの印象がよく似ていたのであわせてみたところ、少し絵のほうが負けしてしまっていたので、中に使われている色から4色を持ってきてベベルアクセントを作り、交互に組み合わせて絵の周りを強調してみた。

P3230011

このフレームは見た目の印象の強さの割には、風景画や静物画などには基本的に合う柔軟さがあるようで、この絵には合わないだろうと思いながらも試してみると意外な効果がでて驚くことがある。
だからうちでは絵に合うフレームを探している時、合う合わないはともかく一度は試してみている。

P3230012

このフレームは少々飾る場所を選ぶ傾向がある。
展示会に使われればかなり目立つ事は間違いないけど、ご家庭に飾られる場合、設置場所周りのインテリアとの合わせ方をいろいろ試していただきたいと思う。

値段はインチサイズ(254mm×203mm)で、3360円。

中の作品に中世ヨーロッパ的な洋風なナチュラルさを与えてくれます。



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2006年3月21日 (火)

ジャポニズムの香り・・・か?

通常、額縁屋で購入できる額は3種類。

  • メーカーの工場で生産され、規格サイズの大きさで組まれ出荷される「レディメイドフレーム(規格縁)」
  • メーカーの工場で生産された棹を、お客さんの要望通りのサイズで組み上げる「カスタムメイドフレーム」
  • 職人さんの工房で、額そのもの全てを作り上げる「オーダーフレーム」

前回紹介したインレイ20はこの中の一番目に当たる。
とはいっても、「規格縁」だからといって、それ以外のサイズに出来ないわけではないし、職人さんがオリジナルで作った「規格縁」というのもあるからここら辺の区分けは少々微妙ではあるけど。

今回紹介するのは2番目の「カスタムフレーム」カテゴリーの額。

c-44088_2 c-44088_5
C-44088 金

これもイタリア製の金縁。
金縁の種類の多くがどんなものにも取り敢えず合うというオールマイティさを持っているし、この額も例に漏れずそういう傾向があるから、取り敢えずお手持ちの作品を入れてみるでもおそらく失敗はない。

ただ、この額はそれだけじゃない。

 

写真から伝わるかどうか、45mmという太さのわりには控えめで、妙に侘び寂び感を感じちゃったりする。
金縁といっても金色がそんなにきついわけではなく、少し擦れたような色彩になっていて、個人的には古くなった金屏風やふすまを連想した。
この額は色違いでベージュと黒の二色があるけれど、こちらの方はどう見ても純然たる洋額の佇まいだから、シリーズの中でこの金色だけが異彩を放っている。

だからか、和のテイストのものに良く合う。

c-44088_1

この額装品は今年2月の展示会にサンプルとして出したもので、中身はまたまた切りえ。
額の大きさは400mm×200mm。
ちなみに額の大きさというのは、この場合は水彩画などを入れるデッサン縁という種類だけど、額の外側ではなく中に入れることが出来るサイズを指す。

c-44088_3

マットはうすいものと濃いものの2つの灰色マットで途中から色を切り替えるというテクニックを使い着物のようなイメージを意識した。

作品はマットの真ん中ではなく少し下に落としてある。
マットと作品との間にはベベルアクセントという奥行きをつける素材を使用してあり作品の見え幅を調節。
マット上部に破布の筋を入れてある。
基本的にはモノトーンな色調の外側に、幅の広い金縁が周っているにもかかわらず、うるささがないと感じていただけると思う。

今回の作例では、額装技術の展示会用ということで掛軸のような仕立てをイメージしたこともあって、窓の中の密度が多少高くなっているけど、以前何度かこの額を使った感じだと日本画特有の”空いた空間”との相性が良い感じがする。
ヨーロッパで作られた額にこれだけ日本人の感性とフィットするものがあるなんて、19世紀のジャポニズムの影響が今日に至って侘び寂びの理解に足をかける所まで来たのかと胡散臭い事を思ったりした。

で、お値段なんだけど、既に工場で規定のサイズに組まれている「規格縁」に比べ「カスタムフレーム」はお客さんの要望のサイズに合わせて一点づつ手作業で作るという性質上、少々割高になってしまいます。
ごめんなさい。

そういうわけで、インチサイズ(254mm×203mm)で9870円。

この額は作品にささやかな風情を与えてくれる希少な額です。



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2006年3月20日 (月)

自己主張をする名脇役

だいぶ更新をサボってしまった。

気がついたらもうすぐ新年度を迎えようという時期。

いろいろ考えて、今回からは真面目に定期更新していくぞと決意した。
で、壁にぶちあたった。

・・・そんな頻繁に書くネタがあるのか?いや、あるんだろうけど、筆下手だし・・・
アクセスカウントそんなに伸びてないし・・・
などとくだらない悩み。

でもある時気がついた。

昨年、今年と今のところ2回やった展示会の時に繰り返し感じた事。

額縁屋って一般に全然知られてない。
当然どんな額縁があるのか、皆さん知らない。

紹介しちゃおう!額縁。

うちで扱っているのに限ってさえものすごい種類がある。
一日一個紹介したとしても一年で365個。
全然余裕余裕。

というわけで、オーディエンスそっちのけの独断企画一回目。

最近使ってみて雰囲気が面白かった額。

P2030053

インレイ20
この額は3種類あるんだけど、その中から赤格子という種類。
イタリア製の細めのタイプで、通常このぐらいの太さの額だとささやかに作品の周りを囲っていますという印象のものが多いけれど、この額は真ん中にはいっているカラフルなモザイク模様のおかげでかなり自己主張がある。
つまり中に入れる作品も、強いものでないと主役を食ってしまうかもしれないという危険な額(←ちょっといい過ぎ)。
P3190026

ただその分作品とマッチした時は、周りと一線を画する存在感を出したりする。

P2030052

↑これはお客さんからお預かりした切りえをインレイ20に額装したもの。
この作品に張られている柄物の和紙を見た途端この額を使おうと考えた。
マットは作品に使われている色に合わせて黒で少し柄が入ったものを使用し、赤い筋を入れた。

P2030054


赤と黒の強烈なコントラストのなかで、この見え幅額20mmという細い額が飲まれるどころかしっかり自己主張しているのを見てもらえると思う。


前述の通り、この額はかなり合わせるのが難しいと思うけど、赤や黄色をベースにした刺繍や、コントラストがはっきりしている、もしくは色数が多い作品等には面白い効果があるかもしれない。

値段はインチサイズ(254mm×203mm)で3880円。

チャレンジャーを求めます。



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2006年2月 7日 (火)

額ぶち展覧会中部展

気がついたら前回から一ヶ月も経っている。
久々の更新。

11月にも書いた額装品の展示会の2回目、「額ぶち展覧会」中部展が6日から始まった。
場所は静岡駅の駅ビル「パルシェ」5Fギャラリー。
隣からマクドナルドのにおいを漂わせながら開催している。

展示品は、東部展の時に来てくれたお客さんたちにも楽しんでもらえるようにの2/3ぐらいは新しい物と入れ替えてあるし、会場内にはフライドポテトのにおいも用意されている。

今回は額装に関しての相談コーナーも作ってあるので、何か飾ってみたいものがある方もちょっと話をしてみたいという方も、ビックマックでも食べた後で気軽に声をかけてください。

12日まで開催です。

safa



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2006年1月 5日 (木)

仕事始め

P7120012
今日からいよいよ仕事始め。

正月はゴロゴロしてすごしたので、いろんなものが少々なまっているような気がしていた。
その分、年頭から気合を入れて行くぞと考えていた今朝。
携帯の目覚ましで起きると年頭の所感を実行に移すべく部屋を出て階段を下りた。

気合だけが。

・・・いや、すごく寒かったんです。
雪降ってたんです。この地方で珍しく。

・・・やっぱりいろんなものがなまってた・・・

年頭からこんなですが今年一年もよろしくお付き合いください。



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2006年1月 4日 (水)

あけましておめでとう

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2005年12月31日 (土)

年賀状を作る

さあ、大晦日。
今年もあと一日というか半日。
仕事納めはまだしていません。
おもいっきり営業中。

で、年賀状を作った。

今年はこのブログも含めて色々と新しいことに挑戦してきたつもり。
だから最後までこのモチベーションを継続して来年につなげるべし!っと例年なら年賀状素材集に頼っていたところをゼロから作ることにした。

デザインはもちろん来年の干支の戌をテーマにした額装品。
うちはお気に入りのものや思い出の品を額に入れて素敵なインテリアをお作りしますを謳い文句にしているから、ワンちゃんが大好きな何かを額装することにした。

なぜかCGで。

額はおめでたいことの意味も込めて金の額縁。
マットは黒地のものにやはり金のフィレをつけて額とのコントラストをつけた。
少々奥行きが必要になったので朱色のべベルアクセントをつけて、中にはワンちゃんが好きなものといったらこれでしょう!と””!
これをワンちゃんがモノほしそうに見ていたら可愛いかもと思い、アクリルに映りこませることにした。

質感の細かい設定は後回しにしてとりあえずイメージを見ることに。
ピッとレンダリング、待つことしばし。
で、完成!
bone

・・・・・・・・・・・って、あれ?

遺影?

死んじゃったんだ・・・犬・・・

ボツです・・・・・




今年は有難うございました。
来年もよろしく!



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2005年12月24日 (土)

ブローチ8個とペンダントを額装する

有難いことだけど、ここのところ仕事がかなり忙しい。

当然かなりの数の面白い物(ガラスのお皿とかP30サイズのデコパージュとかすんごい厚みのあるパッチワークとかマヤ暦とか凝ったウェルカムボードとかアンモナイト等などまだまだ沢山)を額装したけど、注文品だけに勝手に紹介するわけにもいかないのでちょっと残念に感じていた今日この頃。

許可を頂きました。

過去ログを振り返って見て、額縁屋が書いているにも関わらず額装品の紹介が少ないことに気が付いてはいました。

何か上げなきゃとは常々思っておりました。

本当にありがとうございます。

ではこちら、ブローチとペンダント。
frame1 frame5
11月の展示会を見に来られた方からのご注文で、お母さんが大切にしていたものを譲り受けたもので、飾るだけではなく身にも着けたいとのこと。

そこで中のものが簡単に取り出し出来るように額を二重にして扉のように開くようにあります。
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ブローチの方は、今回お持ちいただいたもの以外にもまだご自宅にあるということなので、強力なマジックテープでとめてある座布団に刺して固定する方法で入れ替えも自由。
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逆にペンダントの方は台座をテグスで固定して専用に。
額を横長に使ってアールヌーボーのようなテイストを混ぜてみました。
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両方ともにマットには高級感を出すためにスェード地のものを使用して更に擦れ金のプロフィールをつけてあります。

引渡しの時は忘年会に行く途中だったそうで、みんなに見せると仰ってました。

感想はどうだったんでしょうか・・・



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2005年12月 4日 (日)

額装する理由

東京でやっている2つの展示会に行ってきた。

一つは東京都美術館での「日本きりえ美術展」。
日本きりえ協会の役員でもあるお客さんから招待状をいただいた。

うちも”きりえ”を額装する仕事はわりと数が多い。
文化教室で習い始めたばかりという方もいれば、長年やっていてプロクオリティな方もいる。

招待状をいただいたお客さんも毎回面白い作品を持ってこられる。
なかでも抽象表現で作られた”きりえ”は目新しいこともあるけど、自分的には額装が難しく、面白い。

そんなこともあって全国から集まった”きりえ”を見るのは何か刺激になりそうな気がした。

行ってみると、うちに持ち込まれるものもそうだけど、カラーのものが多い。

なんか、きりえというと”モチモチの木”を連想して白黒というイメージがあった。
で、調べてみたらなんと”モチモチの木”もカラー。
あれ?前からそうだったけ?記憶違いか?

まあ、それはともかく、見た感じ展示品の7割ぐらいはカラー作品。
なかにはフルカラーに近いものまである。
これは通常通り切り抜いた後に、裏からそれぞれの色をあてていくわけなんだろうけど、細かくグラデーションをしていたり、ただでさえ”きりえ”の繊細な作業に加えて手が込んでいる。
確かに出展者の幅の広さがあるからか技術力の差はあったけど、すごいと思えるものが何点かあった。

・・・なのに・・・なんで額縁とマットの方は・・・使いまわしで・・・ああ、入っていればいいんですか・・・そうですか・・・

額縁、あんまり必要と思われてないのかも。

その点、もう一つの展示会は内容物もさることながら額装もすごかった。

日本橋のディックビルで開かれた”シャドウボックス サンアート展”。

これはサンアートさんが行っているシャドウボックス教室の展示会。
サンアートさん自体はうちとは繋がりはなかったんだけど、展示品を額装しているのが「明治堂美術」さんという以前からかなりお世話になっている千葉の額縁屋さん。
立体物の額装方法などはこちらから教わった。

いわば師匠。

そんな明治堂さんから連絡があって、すごいマッティングの作品があるということで招待された。

で、行ってみてまず驚いたのは場所。

たっ高島屋のご近所ですか!

そのせいか何となく展示会に来ている方たちも何となくセレブ。

展示品もやっぱりセレブ。

いい材料を容赦なくバシバシ使って額装してある。
それなのに嫌味っぽくならないどころか、シンプルにかなり上品な感じがする。
ここが明治堂さんのすごいところ。
細かいところにもいろんなテクニックが使われていて勉強になる。

そして、噂のすごいマッティングを発見!
これが新型のコンピューター式マットカッターの威力なのか!
多重マットに、いろんな形の穴が開きまくっていて、自動機械を使ったマッティングとはこれの事だと自己主張している。なかなかすごい。

うちみたいに手作業で切るにはかなり難しいし時間がかかりすぎる、というかコストを考えるとやれない。

かといって高いんだよなこの機械。

ほしいけど。

・・・

とりあえず今回の2つの展示会を照らし合わせて感じた事。

作品のすばらしさではなく作品のインテリアとしての完成度が額装によって左右される。

額縁屋の独りよがりかもしれないけど。



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2005年11月27日 (日)

作品とマットの親密な関係

額縁用品の名前をお客さんが知っている事は少ない。

だから当然注文を受ける際に『アレ』という言葉が多く使われることになる。

この『アレ』は非常に便利なワイルドカードで、ありとあらゆる名前を内包している。

慣れていれば何となく指している物が分かるけど、初めはお客さんと妙な問答をしていた。

そんな『アレ』が一位指名しているのが、あれ・・・マット。

という事でマットのお話し。

とりあえず額縁でマットと聞いて意味分かる人は置いといて、多くの人が何のことか分からないと思う。

マットというのは額のガラスやアクリルと作品の間に挟まっている紙の事。

PB260064

主にデッサン縁の中に入っている。

何で入っているかというと、作品と額のサイズのつじつまあわせではなく作品の保護が第一の目的。

額装というのは物を飾るためというのはあるけど実はもう一つの目的が作品の劣化を防ぐというのがある。

作品は例え飾るためとはいっても表に出していると空気とかカビとか壁から出てくる化学物質とか色々な要因で劣化する。
これは美術館でも例外じゃなくて、飾っている限りは劣化する。でも展示しない訳にはいかないから出来るだけ劣化を防ぐ方法をとっている。

額もマットもその方法群の中の手ごろなもの。

だからマットにも当然その力がある。

さっき紙と書いたけどマット用紙はちょっと特殊な紙で、phが7から7.5。
つまり中性紙。
作品の酸化を抑えてくれる。

これは最近では当たり前の事なんだけど、実は保存額装という考え方が日本に浸透したのが最近のことで、ちょっと前の額装品なんかを調べてみると、思いっきり酸性の紙をマットとして使っていたりして結構油断できない。
大切な額装品を持っている人は、一度調べてみたほうがいいかも。



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2005年11月15日 (火)

展示会終了!

大変だったけど、展示会が終了。

この一週間は従来の仕事と掛け持ちで会場に行っていたから、なんかバタバタ。
一日が終わるとぐったりと、海辺のトドのような状態になっていた。

まあ楽しくはあったけど、なんかいつもの仕事と比べて精神的に疲れている感じがする。

色々と反省点も出たし。
一般に知られてしないのも確認できた。
それでも良い方に見れば、知られていなかった分、話をさせてもらったお客さん達の反応がなかなか新鮮。

早速の反応もあったしプラスにもマイナスにも得るものが多かった。

とりあえず、今回感じた事

・額縁屋と聞いてキャッチセールスか何かと間違えられる(逃げられる)。
・説明しないと額装ではなく中身しか見てもらえない。
・興味を持ってみてくれるのはほとんど女性。男性には無視されることも(一番目が原因か)
・ひょっとしてシルバー産業(若い人ももっとカモン)
・近くのパスタ屋はパスタというより昔なつかしのソフト麺(・・・そこまで太くはないか・・・うまかったし)。

ともあれ、今回来てくれた人達、ありがとうございました。
次回、来年二月もよろしく。



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2005年11月 8日 (火)

額装品展

いよいよ明後日から展示会が始まる。
うちだけの主催というわけではないけど、うちが入っている静岡県の額縁屋さん協会の主催で、しかも美術作品ではなく額縁の展示会。
業者さん向けのこういう展示会はあるけど一般向けというのは今まであまりなかったと思う。
といっても額縁に何の興味もない人に、中に何も入っていない額縁を見せても誰も来てくれないから、今回はみんなでちょっと変わった物を額装して展示しようという事になった。
だから額縁の展示会というより額装技術の展示会のニュアンスが強かったりする。

で、協会の役員なんかをやっているうちとしては、この展示会シーズンのなか展示会の準備にも追われていた。
というか今現在も追われている。
いや、追いつかれた。
ブログを書きつつ現実逃避。
大丈夫か俺?

とりあえず、展示会に出す額装品の何点かはもう出来た。
そのうちの1点は去年、店内装飾用にクリスマスに作ったやつをリメイク。
024
クリスマスに雪だるまサンタがプレゼントと一緒に降って来るというもの。
白木っぽいモールディングのイメージが何となくクリスマスに見えた。
中身になっているものは100円ショップで買ってきたクリスマスツリー用のオーナメントをそのまま利用。
裏をボックスにして奥行きをつけた。
というのもアクリルを2枚使ってプレゼントと雪だるまを手前と奥で重ねて立体的にしたから奥行きが9cmにもなってしまって壁にはちょっと掛けにくい。まあ、店内用だからいいかという事で、小さいイーゼルに立て掛けた。
マットはクリスマスをイメージして赤と青紫のダブルで、店の前を歩く人の目を引くような配色にした。が、、、今になって見ると好み的にはかなりうるさく感じる。

PB080006で、今回はマットを替えてみた。
オフホワイトと金の柔らかいテクスチャーのマットに擦れ金のプラスチックフィレ(マットの穴の周りを装飾する材料)を巻いて、ちょっと上品にしてみた。
ただこれだけだと色味的に少し寂しいので、緑っぽいホログラムチックな紙でべベルアクセントというマット穴に奥行きを付けるものを作って、ちょっと神秘的な雰囲気を追加。写真だと分かりにくいけど、以前の賑やかなものから静かな感じに変わった。
好みはあると思うけど、自分的にはちょっと気に入っている。

こんな感じのものばかりじゃないけど、ちょっと面白いかなと思う物を各額縁屋さんが技術を競って額装した展示会を静岡県沼津市を皮切りに今年・来年と県内3箇所で行います。
近隣にお住まいで、ちょっとでも興味を引かれた方も、そうでない方も是非来て見てください。
今回の会場は、静岡県沼津市大手町の仲見世商店街の中にあるマルサン書店の地下1階展示場。以後、来年2月に静岡駅ビルパルシェ5F、4月に浜松市秋野不矩美術館を予定しています。

静岡県アートフレーマーズ協会主催
額ぶち展示会 東部展
マルサン書店 沼津仲見世店B1ギャラリー
2005年11月10日(木)~15日(火) 10:00-20:00(最終日は16:00終了)
静岡県沼津市大手町5-3-13



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2005年10月22日 (土)

芸術の秋

しばらく更新をサボってしまった。
というのも、芸術の秋というのは名ばかりではなく展示会のシーズンまっただなか。
仕事がいっぱい。
ものすごく忙しい。

そんな中でもちょっと珍しい仕事があった。
展示会用の作品を額装する仕事には違いないけれど、何と額縁を使わない。
うちは額縁屋なのに。

ことの始まりは展示会の前になる。
作家さんの自宅に飾るという事で作品数点を額装した。
ところが後日、急遽決まった展示会に展示したところ自宅では良く合って見えていた額とマットが展示会場では何故か合わない。印象が薄く見えるという。
自宅のインテリア用と展示会ではニュアンスがちょっと違う。このちょっとの違いが見え方の大きな違いになることが時々ある。
そこで、会場に見に行ってみたら納得。壁と馴染みすぎているし、壁の面積に対して額が小さすぎるように感じた。
そのことを提案してみると、額を大きくするのは予算的に却下という事。
ただ、どうしても面積を大きくしないと作品が生きてこないと思い、額を使わず大きなマットのみを使ってテストして、見てもらった。
するとOK!すごい気に入ってもらった。
で、今回は、(「保存のことを考えると本当はあまり良くないですよ」と、くどくど言いながら)全ての作品を額を使わずにマットのみで統一して額装しました。

mark1こちらがそのMARK LEVINE展です。
写真展ですが、ちょっと変わった写真で、ポラロイド写真を撮ってすぐ、まだ乾ききってないうちに加工して絵画的な物を作り出しています。
静岡県沼津市の仲見世商店街にあるカフェ『Bハウス 宙』で開催中です。近郊にお住まいの方、よかったら見に行ってあげてください。




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2005年10月 3日 (月)

30年前のカレンダー

少し前のことになるけど絵を額装して欲しいという、おそらくお子さんとお孫さんを連れた老婦人という表現がピッタリのお客さんがみえた。
なんでも、今度引っ越すので、今まで飾っていたものを額装し直して新しいところでも飾りたいということだった。
ただ、持ってこられたのは絵といってもカレンダーについていた絵とポスターで、大小合わせて9枚。大きい2枚はすこし色が劣化して薄く黄班がでていた。
そして、カレンダー部分には1972年とあった。
30年以上も前のものだ。
大事にされていたんだろう、確かに劣化はしていたけど傷と言えるのは端が少し破れていただけでほぼ完品と言って良いものだった。

前回でも書いたように、うちには様々な品が持ち込まれる。
確かにその中には市場価値の高いものもあるが、ほとんどは値段がつかないもの。
例えば、お子さんの描いた似顔絵や親しい人から貰った記念品など個人的な思い入れの強い品が多い。
たぶん世界中で額装されているもののほとんどが、美術品といわれるものより、こういった思い出の品々の方が多いんじゃないかと思う。
というのも、欧米などでは額縁は家具の一種として考えられている。
ハリウッド映画などで家の壁一面に額に入った家族の写真や記念品が飾られているシーンをよく見るし、実際に海外に滞在していた時に訪れたいくつかの家庭もそうだった。
額縁というのは思い出を飾るための家具ということらしい。
日本では家族の写真を飾りまくる習慣はあまり一般的ではないが、今まで額装させてもらったものたちを考えると、思い出の象徴を飾っておきたいと思うのは共通かなと感じる。

お預かりしたカレンダーの絵とポスターは、今後の保存の事も考えて劣化を出来るだけ防ぐ処置をしながら額装させてもらった。
新しくなった状態を見て喜んでもらえたのが自分にとっても嬉しかった。
後になって知ったんだけど、その老婦人はかなり裕福な方だったらしい。
一度は絵を全て新しいものにしたらどうかと勧められたそうだが断ったということだ。

30年前の色が少し褪せてしまったロートレックのポスターは、どんな思い出の象徴だったんだろう。
P9050091



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2005年9月18日 (日)

猫の消えた街角

最近、近所のノラ猫たちがいない。

うちの店の近くには小さな飲み屋が集まった一角があって、そこを寝床にしているノラ猫たちがいたんだけど、ここのところ全然姿を見かけない。

以前は、白いやつや牛柄のやつ。三毛だけど茶色と白のバランスを間違えているだろと突っ込みを入れたくなるやつ等などが散歩をしているのを、窓際で仕事をしているとよく見かけた。
で、カメラを手に追いかけた。
なかなか撮らせてくれないけど。
春ぐらいには子猫たちが歩いているのを見ているから、それから後。たぶん夏に入ってからだと思うけど、ぱたりと見えなくなった。

ただ見落としているだけなのか、暑いから昼間はどっかに引っ込んでいるのか、あるいはひょっとして、カメラで追い掛け回す変なやつがいるからあそこは避けようとか?

何にせよ、猫触り不足でちょっと心配です。
P9170048s








写真は本文とは猫という事以外はまったく関係ない偉そうな猫の絵葉書です。
偉そうな額に入れただけです。



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2005年9月 3日 (土)

和の涼感

クーラーが直りました。
これであの暑い日々ともさよならです。
で、回復祝いで涼しげなのを作ってみました。
P9030086sP9030090s
緑を主体として、笹の絵を入れてあるミニ額を竹のような素材の額で、縁取って見ました。

でっかいワンポイントで、イミテーションの笹を入れてあります。
和室・洋室問わずに合うようなデザインにしてみました。



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2005年8月26日 (金)

香木と油紙

 世の中にはいなくなってみて、初めてそのありがたさが分かることがある。 

 近くにいすぎて、支えられていたのに気づかなくて、去ってしまった今になってその価値を身にしみて感じている。

 僕は君がいたあの部屋の空気が好きだった。

 ただ居心地が良かった。

 今はただ、

 

 暑い!

 という事で、クーラーがお亡くなりになりました。
 部屋には2台のPCがあるのですが、それらが発する熱と、外気の温度とがミックスされて、とにかく暑い!早めの復活が望まれます。

 こんにちは、フレーマーです。
 フレーマーとは額装する人のことです。
 額装と聞けば、一般的には絵画や賞状を思い浮かべるでしょうけど、基本的には何でも額装できます。ナマモノでも腐るまでならOKですので、後の処理は個々で対応してください。
 そんな訳ですから、依頼を受ける中にも傍目からは意味不明なものがあったりします。

pic01これは香木と油紙です。
正確には香木の残りと油を拭いた紙です。
香木は分かるとしても、油を拭いた紙って?
依頼を頂いた方も、面白そうだからということでした。
まあ、確かに。
OK!やっちゃる!ということで、素材をあれやこれやいじくりながら、どういう風に額装するか考えました。

結果、香木は立体感を生かして重ねる。油紙は何となく光に透かしたらきれいだったので、それを生かすと決めました。

pic03
まず、香木の立体感はアクリルを2枚使って重ねることで、空間に浮いているようにしました。
ついでに、せっかくの香木なのに香りが楽しめないのはもったいないということで、一番手前の香木に関してはアクリルの外側に固定してあります。

pic02

と、ここまでやると厚さがかなりものになってしまったため、額縁の厚さもアップ。ついでに周りが少しさびしく感じたので、額も二重にしました(スタックフレームといいます)。
通常ですと、額の裏側には板が入りますが、今回は、油紙に光を入れるため、アクリルに変えます。

一応これで完成ですが、今回は額というよりは、窓際に置くものになってしまいました。ご依頼人には気に入っていただけたようなので結果オーライということで。



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